不正競争行為差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 化粧品等の企画・販売を行う原告(株式会社エトヴォス)が、美容機器等の企画・販売を行う被告(株式会社日創プラス)に対し、被告が製造販売する頭皮マッサージブラシ「NIPLIFE HEAD SPA BRUSH」が、原告の立体商標権を侵害し、また原告商品の周知な商品等表示と類似する形態を用いた不正競争行為に当たるとして、不正競争防止法及び商標法に基づき、被告商品の製造販売等の差止め及び損害賠償を求めた事案である。原告商品は「しずく型」の基盤部に27個の円錐形突起を配した手動式頭皮マッサージブラシであり、累計70万個以上を販売していた。 【争点】 (1)被告商品の形態が原告商品と混同を生じさせる程度に類似しているか、(2)原告商品の形態に特別顕著性が認められるか、(3)原告商品の形態に周知性が認められるか、(4)差止めの必要性、(5)原告の損害額が主な争点となった。被告は、しずく型の形態はありふれたものであり特別顕著性も周知性もないと反論し、また原告商標には商標法3条1項3号の無効事由があると主張した。 【判旨】 裁判所は、不競法に基づく請求について判断し、原告の請求を一部認容した。まず形態の類似性について、需要者が主として視認する方向(突起部が配された基盤部表面)から見た外観において、被告商品は原告商品と実質的に同一といえるほど類似していると認定した。特別顕著性については、原告商品のしずく型形態は水気の多い浴室のイメージと整合し顧客誘引力を高めるものであり、被告が挙げた公知意匠等はいずれも原告商品の形態とは具体的に異なるとして、顕著な特徴を認めた。周知性についても、月平均2万個の販売実績や各種メディアでの露出等から肯定した。損害額については、被告の限界利益321万1905円に弁護士費用等を加えた353万3095円を認容し、被告主張の推定覆滅事由はいずれも排斥した。