AI概要
【事案の概要】 フランスの高級ブランド「エルメス」を展開する原告(エルメス アンテルナショナル)が、被告(FCT株式会社)に対し、被告がECサイト「楽天市場」の店舗「Xnode」において、原告の著名なバッグ「バーキン」に酷似した被告商品1及びサンダル「オラン」のアッパー部分に用いられる「H」字型デザインに類似した標章を付した被告商品2を販売したことが、原告の商標権(第5438059号・第5962099号)を侵害し、かつ不正競争防止法2条1項1号・2号の不正競争に当たるとして、損害賠償合計301万8240円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。被告は少なくとも令和4年10月1日から同年11月29日まで被告商品を販売し、同日に被告サイトを閉鎖して休業した。 【争点】 主な争点は、①被告商品1・2の販売が原告の商標権侵害及び不正競争に該当するか、②原告の損害額(利益相当損害金、信用毀損による無形損害、弁護士費用)である。被告は、楽天市場の販売ランキング上位商品と同じ物を選別して販売したもので問題はなく、原告標章と被告商品は外観等が一致しないと主張した。 【判旨】 裁判所は、被告商品1はバーキンの形態的特徴をすべて備え全体として原告標章1と酷似しており、商標権1の侵害及び不競法2条1項2号の不正競争に該当すると認定した。被告商品2についても「H」字型アッパーが原告商標権2に係る標章と類似し、商標権2の侵害及び不競法2条1項1号の不正競争に当たると判断した。損害額については、被告が文書提出命令にもかかわらず仕入価格等の資料を提出しなかったことも考慮し、被告商品各30個の販売による利益相当損害金31万8240円、信用毀損による無形損害30万円(請求150万円から減額)、弁護士費用6万1824円(請求120万円から減額)の合計68万0064円及び遅延損害金の限度で請求を認容し、その余を棄却した。