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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ケ10082
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2024年1月16日
裁判官
東海林保今井弘晃水野正則

AI概要

【事案の概要】 被告(アボット・ラボラトリーズ及びアボットジャパン合同会社)は、発明の名称を「PIVKA-IIに関する抗体およびその使用」とする特許(特許第5981914号、請求項数75)の特許権者である。PIVKA-IIは、肝細胞癌(HCC)患者において上昇することが知られるタンパク質であり、本件特許はPIVKA-IIのアミノ酸1-13に結合してこれを特異的に認識する結合性タンパク質(抗体)及びその検出方法等に関するものである。原告(ロシュ ダイアグノスティックス ゲーエムベーハー)が本件特許の複数の請求項につき無効審判を請求したところ、特許庁は無効審判請求は成り立たないとする審決をした。原告がこの審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に提訴した。 【争点】 原告は、①新規性欠如(甲4文献に記載のモノクローナル抗体H-11との同一性)、②進歩性欠如(甲4発明等に基づく容易想到性)、③拡大先願との同一性(甲11発明との同一性)、④明確性要件違反(「PIVKA-IIを特異的に認識して結合する」の不明確さ)、⑤サポート要件違反、⑥実施可能要件違反の6つの取消事由を主張した。特に横断的な争点として、本件訂正発明3の「PIVKA-IIを特異的に認識して結合する」の意義の解釈が問題となった。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、まず「PIVKA-IIを特異的に認識して結合する」の意義について、本件明細書等の記載及び技術常識に基づき、PIVKA-IIにおける6位及び/又は7位のGlu(脱カルボキシル化されたグルタミン酸残基)を含む構造と、プロトロンビンにおける6位及び7位のGla(カルボキシル化されたグルタミン酸残基)を含む構造とを識別し、両者に対する反応性が異なることを意味すると解釈した。その上で、取消事由1(新規性)については、甲4文献の抗体H-11はプロトロンビンにもPIVKA-IIにも結合するものであり「特異的に認識して結合」するものとは認められないとして相違点の存在を肯定した。取消事由2(進歩性)については、甲4にはPIVKA-IIを特異的に認識して結合する抗体の記載も示唆もなく、当業者が容易に想到できたとはいえないとした。取消事由3(拡大先願)についても、甲11発明の抗体と本件訂正発明の結合性タンパク質は同一とは認められないとした。取消事由4ないし6(明確性・サポート・実施可能要件)についても、いずれも要件を満たすとして、原告の主張をすべて退け、審決に誤りはないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。