商品販売差止等請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和5ネ10081
- 事件名
- 商品販売差止等請求控訴事件
- 裁判所
- 知的財産高等裁判所
- 裁判年月日
- 2024年1月24日
- 裁判官
- 清水響、浅井憲、勝又来未子
- 原審裁判所
- 東京地方裁判所
AI概要
【事案の概要】 タレントX(原告)及びその所属事務所である原告会社は、アスクレピオス製薬との間で、同社販売商品の広告に原告Xの氏名・肖像等(本件氏名等)を使用する広告出演契約を締結していた。原告らは、同契約を解除する旨の和解が成立したにもかかわらず、アスクレピオス製薬及び同社から会社分割により事業を承継した被告ツインガーデンが、商品広告に本件氏名等を使用し続けたとして、氏名権・肖像権・パブリシティ権に基づく商品の譲渡等の差止め・廃棄及び損害賠償1億円を請求した。原審は被告ツインガーデンに対し47万5000円の支払を命じる限度で認容し、その余を棄却した。原告らが敗訴部分を不服として控訴した(アスクレピオス製薬に対する控訴は取下げ)。 【争点】 主な争点は、本件和解におけるアスクレピオス製薬代表者Aの代表権濫用について、原告会社代表者Bが悪意又は有過失であったか否かである。Aは、株主Cとの経営権紛争を背景に、会社資産を自らの支配下に移転させる計画を進めており、本件和解もその一環として締結された疑いがあった。原告らは、Bはこうした背任の意図を知らず、知り得なかったと主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は控訴を棄却した。裁判所は、Aが令和元年12月頃からCとの株式紛争により経営権を失う可能性を想定し、会社資産を自己の支配下に移転させる計画を実施していたと認定した。本件和解についても、原告会社に具体的損害が発生した事情がないにもかかわらず2860万円の賠償金支払に合意しており、賠償額の具体的交渉の形跡もないことから、Aが会社財産を流出させる意図で和解書を作成したと推認した。Bについても、商品開発契約書のバックデート作成への関与、AとCの紛争状態の認識、LINEグループ名変更への無関心等の事情を総合し、Aの背任の意図を知り又は知り得べきであったと判断した。損害額については、1日当たりの売上額を2050万円と認定し直した上で、その約0.1%の2万0500円を1日当たりの損害額とし、合計38万9500円の限度で理由があるとした。もっとも、被告ツインガーデンが控訴していないため、不利益変更禁止の原則により原判決の47万5000円を維持し、控訴を棄却した。