損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 アマゾンサイト上で韓国芸能人関連グッズ(写真集、単語帳、卓上カレンダー等)を販売する一審原告(ANSON株式会社)が、同種商品を販売する競合の一審被告に対し、損害賠償を求めた事案である。一審被告は、原告サイトに掲載された商品画像及び商品名が自己の著作権を侵害しているとして、アマゾンの知的財産権侵害通知フォームを通じて計10回にわたり権利侵害申告を行い、これによりアマゾンが原告の商品出品を停止した。一審原告は、この申告行為が不正競争防止法2条1項21号の虚偽事実の告知又は不法行為に該当するとして、逸失利益、対応人件費及び弁護士費用相当額の合計約73万円の損害賠償を請求した。原審(大阪地裁)は約5万2492円を認容し、双方が控訴・附帯控訴した。 【争点】 ①一審被告の各申告が不競法2条1項21号の虚偽事実の告知又は不法行為に該当するか、②一審原告の損害の有無及び額、③一審原告の本訴提起が不法行為に当たるか(相殺の抗弁)。 【判旨】 控訴審は、一審被告の控訴を棄却し、一審原告の附帯控訴に基づき認容額を5万3179円に増額した。 まず、商品画像の著作物性について、写真集及び卓上カレンダーの平面的な表紙・裏表紙を忠実に再現するため真正面から撮影した被告画像1、2、4〜10は、被写体の選択・構図等に撮影者の個性が表れておらず、著作物性が認められないと判断した。一方、単語帳の被告画像3は、単語カードを扇状に広げて陰影を表現するなどの工夫があり著作物性を肯定したが、原告画像3は画像テンプレートを用いた別個の表現であり、アイデアの共通点はあるものの表現上の本質的特徴を直接感得させるものではないとして、著作権侵害を否定した。商品名についても、商品本体の表記を変えてありふれた説明を付したにすぎず著作物性を否定した。 以上から、本件各申告の内容は全て虚偽の事実であり、不競法2条1項21号に該当すると認定した。一審被告の注意義務違反については、侵害通知フォーム上で権利侵害の客観的根拠の確信等を表明・保証することに同意が求められていること、一審原告や同代理人弁護士からの度重なる問い合わせや内容証明郵便を一切無視して申告を繰り返したことから、少なくとも過失が認められるとした。さらに、一審被告が著作権侵害の問題になり得ないことを認識しながら侵害通知フォームを利用した可能性にも言及し、未必の故意さえうかがわれると指摘した。損害額については、出品停止直前3か月間に販売実績がなかった商品2についても、91日間の長期出品停止を考慮し1個分の逸失利益687円を追加認定した。