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知財

職務発明対価請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和5ネ10069
事件名
職務発明対価請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2024年2月1日
裁判官
東海林保今井弘晃水野正則
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 控訴人(元従業員)は、被控訴人(株式会社ダイセイコー)の従業員として「吹矢の矢」に関する発明(特許第4910074号)を行い、その特許を受ける権利を被控訴人に承継させたと主張し、特許法35条3項に基づく職務発明の相当対価として5000万円の一部請求である1000万円(控訴審で減縮)及び遅延損害金の支払を求めた事案である。被控訴人は本件発明を自己実施して製品を販売し利益を得ていたが、控訴人在職中に職務発明対価請求権を放棄する旨の同意書に捺印させていた。また、被控訴人は就業規則60条3号(「有益な発明考案をした」者に対する表彰規定)に基づき、控訴人にクオカードを交付していた。原審(東京地裁)は控訴人の請求を棄却し、控訴人が知的財産高等裁判所に控訴した。 【争点】 主な争点は、職務発明対価請求権の消滅時効の成否である。具体的には、①就業規則60条3号が職務発明の対価に関する規定といえるか(消滅時効の起算点がクオカード交付時となるか)、②在職中の事実上の障害(オーナー企業における使用者と従業員の力関係、同意書への捺印強制)により権利行使が現実に期待できなかったか、③クオカードの交付が職務発明対価の債務の一部承認として時効中断事由に当たるか、④被控訴人の消滅時効の援用が権利濫用に当たるかが争われた。 【判旨】 控訴棄却。知財高裁は、以下のとおり判断し、消滅時効の完成を認めて控訴人の請求を棄却した。 第一に、就業規則60条は「表彰」に関する規定であることが明示されており、表彰事由は職務発明に限らず業務上の功績全般を広く対象としていること、表彰として経済的利益を供与する定めもなく、支払時期の定めもないことから、同条3号を職務発明の対価に関する規定と解することはできないとした。職務発明対価の支払時期に関する定めがない以上、特許を受ける権利を使用者に承継させた時点が消滅時効の起算点となる。 第二に、「権利を行使することができる時」には権利行使が現実に期待できることも必要であるが、控訴人が被控訴人の従業員であったことをもって直ちに退職前に権利行使が期待できなかったとはいえず、オーナー企業で自由な意見を言えなかったとの陳述にも客観的裏付けがないとして退けた。同意書捺印後6か月を起算点とすべきとの主張についても、根拠となる事情は認められないとした。 第三に、クオカードの交付は表彰規定に基づくものであり、控訴人も被控訴人も対価請求権は放棄済みと認識していた状況下での交付であるから、債務の一部承認とは認められないとした。 第四に、同意書の作成強制は認められず、控訴人は退職後に弁護士を通じて内容証明を送付し、時効完成前に訴訟提起が可能であったにもかかわらず約1年間提起しなかったのは自らの判断によるものであり、被控訴人の時効援用は権利濫用に当たらないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。