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下級裁

現住建造物等放火被告事件

判決データ

事件番号
令和5う66
事件名
現住建造物等放火被告事件
裁判所
広島高等裁判所
裁判年月日
2024年2月8日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
森浩史富張真紀家入美香
原審裁判所
山口地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 被告人は、実母が現に住居として使用し就寝中であった自宅(本件居宅)において、1階北側洋室内の床面及びベッド上の布団に消毒用アルコールをまいた上、ライターで点火して放火し、同居宅を全焼させたという現住建造物等放火の事案である。被告人は解離性同一性障害(DID)と診断されており、主人格(「ベース」)のほか「本体」及び「別」と呼ばれる人格が存在し、犯行時は「別」の状態にあったとされた。原審(山口地方裁判所)は完全責任能力を認め、懲役3年6月の実刑判決を言い渡した。弁護人が、訴訟手続の法令違反、責任能力に関する事実誤認、量刑不当を主張して控訴した。 【争点】 第一の争点は、被告人の責任能力である。弁護人は、精神鑑定を行ったB医師の証言について、犯行前後の記憶保持の評価が不適切であること、合目的的行動の評価に推測が含まれること、主人格と別人格の異質性・連続性の評価が誤っていること、「現実検討」の概念について独自の見解に基づいていること、犯行動機の検討が不十分であることなどを指摘し、心神喪失ないし心神耗弱を主張した。第二の争点は、原審が取調べの録音録画映像(被告人が意識を失い痙攣する様子を記録したもの)を必要性なしとして却下した訴訟手続の法令違反の有無である。第三の争点は、懲役3年6月の量刑の当否であり、弁護人は執行猶予付き判決を求めた。 【判旨(量刑)】 広島高等裁判所は、控訴を棄却した。責任能力について、被告人は犯行時の状況を具体的かつ特徴的に供述しており記憶はおおむね保たれていること、犯行前の出会い系サイトでのメッセージから放火に至るまで一貫した行動がみられること、周囲の者が被告人の異質な言動に気付いた事情が一切ないことなどから、別人格は主人格から派生した連続性のあるものであり、「別」の状態における離人感は選べない感覚があるにすぎず行動制御能力を欠くものではないとして、完全責任能力を認めた原判決の判断に誤りはないとした。訴訟手続の法令違反についても、録画映像の内容が犯行当時の精神状態を直接示すものとはいえず、鑑定人の証人尋問で症状は明らかにされているとして退けた。量刑については、深夜に住宅密集地で実母就寝中の自宅を全焼させた危険で悪質な犯行であること、同種前科(建造物損壊)があること等に照らし、実母や近隣住民の宥恕、更生支援計画の策定等の事情を考慮しても、執行猶予が許容される事案とはいえないとして、懲役3年6月の原判決の量刑を維持した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。