特許権侵害等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、「検査分析のサービスを提供するシステムおよび方法」という名称の特許(特許第4253793号)に係る特許権を有する原告が、被告(株式会社AbemaTV)に対し、被告がYouTubeに動画広告を掲載し、動画配信サイトAbemaTVで動画を配信する方法(被告方法)が、本件特許の請求項5記載の発明の技術的範囲に属するとして、民法709条に基づき損害賠償金160万円の支払を求めた事案である。本件特許権は令和5年7月23日に存続期間満了により消滅している。 【争点】 1. 被告方法が本件発明の技術的範囲に属するか 2. 損害の発生の有無及び損害額 【判旨】 裁判所は、本件明細書の記載を踏まえ、本件発明の「検査分析装置」とは、試料を装填等して、ユーザのリモート操作によりその試料を分析・検査する検査分析ユニットを有する装置を意味し、「検査分析」とは、試料を装填等して、ユーザのリモート操作によりその試料を分析・検査する工程を意味すると解釈した。本件明細書には、技術分野として半導体集積回路装置等の検査分析工程で用いられる走査型電子顕微鏡等の利用方法に関する記載しかなく、発明の目的も半導体集積回路装置等の開発・製造を効率的に行うための検査分析技術の提供にあることを指摘した。 原告は、「検査分析装置」をインターネットを介したリモート操作が検査分析の対象となるコンピュータ装置と解すべきと主張し、被告の動画配信サーバがこれに該当し、視聴者がコメントや高評価ボタンを押下する行為が「検査分析」に当たると主張した。しかし、裁判所は、被告の動画配信サーバは検査分析対象となる試料の装填等を想定しておらず、検査分析ユニットを備えていないとして「検査分析装置」に該当しないと判断した。同様に、視聴者のコメントや高評価ボタンの押下も試料の分析・検査に当たらず「検査分析」に該当しないとして、被告方法は構成要件AないしHを充足しないと結論づけ、原告の請求を棄却した。