AI概要
【事案の概要】 原告ら(メディカル・イノベイション株式会社ほか2社)は、「イントロデューサ針およびアダプタ」に関する発明について特許出願をしたが、拒絶査定を受け、不服審判を請求した。特許庁は、本願発明(請求項8に係るアダプタの発明)が引用文献1(米国特許第5591137号明細書)に記載された引用発明に基づいて当業者が容易に発明できたとして、進歩性を否定する審決をした。原告らは本件審決の取消しを求めて出訴した。本願発明は、外套管に接続された本体部内にストッパ(弁体)を備え、回動操作により内孔の開度を調整して、器具の挿通・遮断の切換えや、挿通された器具の固定保持を可能とするアダプタに関するものである。 【争点】 1. 取消事由1:引用発明の認定並びに一致点及び相違点の認定の誤りの有無。具体的には、引用発明において導入器と管状体がコネクタを介して接続されている点を看過した認定が誤りか。 2. 取消事由2:進歩性判断の誤りの有無。具体的には、引用発明のシールが細長い部材を前進・後退可能に保持するものであるのに対し、本願発明のストッパが器具を固定保持するという相違点について、当業者が容易に想到できたか。 【判旨】 裁判所は、原告らの請求を棄却した。 取消事由1について、引用発明においてコネクタは課題解決に不可欠な構成ではなく、引用発明の認定にコネクタを含めなかった審決に誤りはないとした。また、本願発明の「接続された」との特定は直接接続に限定されず、コネクタを介した接続も含むため、仮に原告主張どおりに引用発明を認定しても一致点・相違点の認定は変わらないと判断した。 取消事由2について、引用発明と本願発明の開度調整機構部の動作機構に特段の差異はなく、相違点は使用目的の多少の差異を示すにすぎないとした。カテーテル等の器具を押圧しながら移動可能にしたり、押圧して固定保持したりすることは、乙4・乙5の記載事項に示されるとおり出願前の技術常識であり、相違点に係る構成は設計上の微差にすぎず、予測し得ない顕著な効果も認められないとして、審決の進歩性判断に誤りはないと結論付けた。