AI概要
【事案の概要】 被告人は、令和4年9月、大阪市内の飲食店において、自身の口に入れた箸を使い、店舗備え付けの紅生姜の容器から直接口にかき込むようにして食べるなどし、容器内に残存していた紅生姜(損害額約269円)を汚損するとともに、清潔な紅生姜を客に提供することを不能にさせた(器物損壊・威力業務妨害)。さらに、被告人は、共犯者2名と共謀の上、営利の目的で、令和5年3月頃、大阪市内のマンション一室において、照明器具で光を照射し、水や肥料を与えるなどして大麻草8本を栽培するとともに(営利目的大麻栽培)、同所において大麻である植物片約206.856グラムを所持した(大麻所持)。被告人には異種の複数の前科があり、服役経験もあったが、直近前科の刑の執行終了から約2年半で本件各犯行に及んだものである。検察官は懲役3年6月及び罰金20万円を求刑した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人を懲役2年4月及び罰金20万円に処した。量刑の理由として、まず、器物損壊・威力業務妨害については、被害店舗に与える悪影響を顧みない身勝手で悪質な犯行であるとした。営利目的の大麻栽培については、規模は小さいものの、共犯者とともに必要な栽培器具をそろえるなど手が込んでおり、相応の量の大麻所持にも至っており悪質であると評価した。さらに、被告人が異種とはいえ複数の前科を有し服役経験もありながら、直近前科の刑の執行終了後約2年半で本件各犯行に及んでいることから、規範意識が乏しいといわざるを得ず、刑事責任は重いとした。他方、被告人が公判で事実を全て認め反省や更生への意欲を示していること、営利目的の大麻栽培については結局販売するに至らず利益を得ていないこと、父親が監督する旨を誓約したことなど、被告人のために酌むべき事情も考慮し、主文のとおりの刑が相当と判断した。