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下級裁

建物明渡請求事件

判決データ

事件番号
平成31ワ1264
事件名
建物明渡請求事件
裁判所
京都地方裁判所
裁判年月日
2024年2月16日

AI概要

【事案の概要】 京都大学の設置者である国立大学法人京都大学(原告)が、大正2年建築の学生寄宿舎「吉田寮」(本件建物)に居住する在寮生及び既に退寮した元在寮生ら計約40名の被告に対し、所有権に基づく建物明渡しを求めた事案である。吉田寮は、昭和46年以降、吉田寮自治会が入寮選考や寮運営を自主的に行い、歴代の学生部長・副学長との間で確約書等を取り交わして自治運営が認められてきた。原告は、平成29年12月、本件建物の耐震性に問題があるとして「吉田寮の安全確保についての基本方針」を策定し、平成30年1月以降の新規入寮停止と同年9月末日までの全員退寮を通告した。原告は代替宿舎の提供(同額の寄宿料月額400円)も申し出たが、自治会側はこれに応じず入寮募集を継続した。原告は占有移転禁止の仮処分を経て本件訴訟を提起した。 【争点】 (1)原告と自治会との間の確約書等に基づく不起訴合意の存否、(2)退寮被告らの本件建物の占有の有無、(3)原告と在寮被告らとの間の在寮契約の成否、(4)在寮契約の終了の有無(契約の性質が使用貸借か賃貸借か、使用目的の終了又はやむを得ない事由による解除の可否)、(5)明渡請求が権利濫用に当たるか。 【判旨】 裁判所は、退寮被告ら及び平成29年12月19日以降に入寮した在寮被告3名に対する明渡請求を認容し、それ以外の在寮被告らに対する請求を棄却した。争点1について、確約書等は副学長・学生部長が学生寄宿舎に関する決裁権に基づき署名したもので原告に効力が及び、自治会も権利能力なき社団として被告らに効力が及ぶとしつつも、確約書等の内容は訴訟提起をしない約束とまでは読み取れず、不起訴合意の成立を否定した。争点2について、本件建物は自治会構成員による共同占有であり、退寮被告らは退去報告書を提出しておらず占有解消が認められないとし、仮に退去していても占有移転禁止仮処分に違反した占有移転にすぎず占有喪失の主張は許されないとした。争点3について、昭和46年以降の自治会と大学当局の合意に基づき自治会が入寮選考権限を委ねられていたことから、平成29年12月19日までの入寮者には在寮契約の成立を認めた。争点4について、寄宿料月額400円は賃料としての対価性がなく使用貸借契約と認定した上で、自治会による自主運営に意義を見出して入寮している以上、代替宿舎の提供では使用目的を達成したとはいえないとした。また、耐震性能の不足は補修で対応可能とされていた経緯があり、自治会の行為も信頼関係を破壊するほどとはいえないとして、やむを得ない事由による解除も認めなかった。争点5について、権利濫用には当たらないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。