都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3135 件の口コミ
知財

発信者情報開示請求事件

判決データ

事件番号
令和4ワ1538
事件名
発信者情報開示請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2024年2月21日
裁判官
柴田義明杉田時基仲田憲史

AI概要

【事案の概要】 ビデオソフト・DVDの制作販売会社である原告が、ファイル共有ソフト「BitTorrent」を用いて原告の動画の著作権(公衆送信権)を侵害したとされる氏名不詳者について、アクセスプロバイダであるソフトバンク(被告)に対し、プロバイダ責任制限法5条1項に基づき発信者情報の開示を求めた事案である。原告は調査会社に依頼し、同社が開発した監視ソフトウェアを用いてBitTorrentネットワーク上で原告動画のファイルを保有するピアを探索した。調査の手法は、トラッカーサーバからピアリストを取得し、各ピアとの間でHANDSHAKE、ACK、BITFIELD、INTERESTEDの各通信を経て、相手方ピアからファイルのアップロードが可能であることを示す「UNCHOKE」の通信を受信したピアのIPアドレス等を記録するというものであった。原告はこの調査結果に基づき、UNCHOKE通信を行った発信者5名分の氏名・住所等の開示を求めた。 【争点】 主な争点は4つあり、(1)本件各通信が動画データの複製物に関するUNCHOKE通信といえるか(調査結果の信用性)、(2)本件各通信がプロバイダ責任制限法上の「特定電気通信」に当たるか、(3)本件各発信者が同法上の「発信者」に当たるか、(4)UNCHOKE通信による情報の流通によって原告の権利が侵害されたことが明らかといえるかである。裁判所は争点(4)を中心に判断した。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、著作権法2条1項9号の5が定める「送信可能化」の定義に立ち返り、同号イ又はロに列挙された行為に該当することが必要であるとした。その上で、調査会社の説明を前提とすると、UNCHOKE通信の時点より前に、既に発信者の端末に動画ファイルの少なくとも一部が複製・記録され、BitTorrentネットワークに接続されることで自動公衆送信し得る状態(送信可能化)になっていたと認められるとした。しかし、UNCHOKE通信がされた時点において、本件各動画について更に同号イ又はロに該当する何らかの行為が行われたことを認めるに足りないと判断した。また、UNCHOKE通信はプロバイダ責任制限法施行規則5条が定める「侵害関連通信」にも該当せず、UNCHOKE通信の時点で調査会社の端末に対して動画ファイルのピースが実際に送信(自動公衆送信)されたともいえないとした。したがって、UNCHOKE通信に係る情報の流通によって原告の権利が侵害されたことが明らかであるとはいえず、発信者情報開示請求は認められないと結論づけた。本判決は、BitTorrentにおける著作権侵害の立証において、調査会社が捕捉する通信の種類と送信可能化の成立時期との関係について厳格な判断を示したものであり、同種事案における調査手法の在り方に影響を与えうるものである。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。