AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社アクネスラボ)は、ニキビ対策の化粧品やせっけん類を製造・販売し、「アクネスラボ」「ACNES LABO」の商標(使用商標)を使用していた。被告(ロート製薬株式会社)は、「Acnes Labo」「アクネスラボ」を上下二段に横書きした商標(本件商標)について、第3類(せっけん類等)、第5類(サプリメント等)、第44類(健康指導等)を指定商品・役務として商標登録を受けた。原告は本件商標の無効審判を請求したが、特許庁は第3類「せっけん類」についてのみ登録無効とし、その余の請求は成り立たないとする審決をした。原告は、審決のうち「せっけん類」以外の部分の取消しを求めて知的財産高等裁判所に提訴した。原告は、商標法4条1項10号(周知商標との類似)、同15号(混同のおそれ)、同8号(他人の名称の略称)、同11号(先願登録商標との類似)、及び同法3条1項柱書(使用意思の欠如)の各該当性を取消事由として主張した。 【争点】 主要な争点は、(1)本件商標の指定商品「サプリメント」と原告が使用する「化粧品」が類似商品に当たるか(4条1項10号・11号)、(2)本件商標を「サプリメント」に使用した場合に出所混同のおそれがあるか(4条1項15号)、(3)「アクネスラボ」が原告の著名な略称に当たるか(4条1項8号)、(4)被告に本件商標の使用意思があったか(3条1項柱書)である。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。まず「サプリメント」と「化粧品」の類否について、サプリメントは経口投与により健康の保持増進を目的とする食品であるのに対し、化粧品は身体への塗擦・散布等により美化や皮膚・毛髪の保護を目的とするものであり、使用方法及び使用目的の根本的部分において明確に異なると判断した。両方を製造・販売する企業は複数存在するものの、通常同一の営業主により製造・販売されているとは認められず、原材料も通常一致せず、需要者も完全には一致しないとして、類似商品には当たらないとした。混同のおそれについても、使用商標の周知性はアクネ対応商品に関心のある一定の需要者にとどまり、独創性も高くなく、商品間の関連性も希薄であるとして否定した。商標法4条1項8号については、「アクネスラボ」は原告の名称の略称ではあるが、需要者には商品ブランド名として認識されており、略称として著名であるとは認められないとした。使用意思についても、被告がサプリメント等の販売を現に行っていることなどから、将来の使用意思を否定できないとして、審決の判断に誤りはないと結論づけた。