著作権侵害(不法行為)による請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和5ネ10092
- 事件名
- 著作権侵害(不法行為)による請求控訴事件
- 裁判所
- 知的財産高等裁判所
- 裁判年月日
- 2024年3月18日
- 裁判官
- 清水響、浅井憲、勝又来未子
- 原審裁判所
- 東京地方裁判所
AI概要
【事案の概要】 本件は、著作物及び商標の権利者であると主張する控訴人(原告)が、被控訴人ら(被告ら3名)に対し、被告らが原告の許可を得ることなく、関ケ原検定に関連して原告の著作物及び商標を使用したことが著作権侵害及び商標権侵害の不法行為に当たると主張して、不法行為に基づく損害賠償347万4000円及び遅延損害金の支払、著作物を使用した物品の複製・頒布の禁止及び廃棄、商標の使用差止め、並びに著作権法115条に基づく名誉回復措置(被告らがインターネット上で原告が著作権を有する旨を公表すること)を求めた事案の控訴審である。原審(東京地方裁判所)は原告の請求をいずれも棄却し、原告が控訴した。なお、不法行為に基づく損害賠償請求については控訴の対象に含まれておらず、当審では差止め等の請求及び名誉回復措置の請求が審理対象となった。控訴人は当審において、著作権法115条に基づく名誉回復措置の請求内容を追加した。 【争点】 (1) 被告ら個人に対する著作物の複製・頒布の差止め及び廃棄請求の可否、(2) 被告ら個人に対する商標使用の差止請求の可否、(3) 著作権法115条に基づく名誉回復措置請求の可否、(4) 被告らの行為が公権力の行使に当たるか否か(公務員職権濫用に当たる場合に公権力の行使性が否定されるか)。 【判旨】 控訴棄却。裁判所は、関ケ原検定は関ケ原町が実施するものであり、関連物品を支配下に置いているのは関ケ原町であると認定した。被告らが物品の購入や保管等に関与していたとしても、関ケ原町の公務員として職務上関与したにすぎず、占有補助者にはなり得ても独立して処分する権限は認められないとした。また、被告ら個人が関ケ原検定を主催・実施するおそれも認められないことから、差止め及び廃棄請求には理由がないと判断した。著作権法115条に基づく名誉回復措置の請求については、その前提となる著作者人格権侵害に関する主張がなされていないとして、理由がないと判断した。さらに、控訴人が主張する公権力の行使該当性については、損害賠償請求の前提事実に係るものであり当審の審理対象を左右しないとした上で、仮に公務員に職権濫用等の違法行為があったとしても、それは国家賠償法の適用により被害者を保護すべき理由にはなっても、公権力の行使に当たる公務員がその職務について行った行為であることを否定する理由にはならないと判示した。