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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和4行ケ10110
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2024年3月18日
裁判官
宮坂昌利本吉弘行頼晋一

AI概要

【事案の概要】 本件は、「鋼管矢板式係船岸およびその設計方法」に関する特許(特許第5919620号)を有する被告(JFEスチール株式会社)に対し、原告(日本製鉄株式会社)が特許無効審判を請求したところ、特許庁が訂正後の請求項1及び3に係る発明について無効審判の請求は成り立たないとする審決をしたため、原告がその取消しを求めた事案である。本件特許に係る発明は、港湾や河川に構築される鋼管矢板式係船岸において、鋼管矢板の設計で用いることができる鋼材降伏強度の特性値を400〜700N/mm2とし、鋼管矢板壁の剛度を表すパラメータρが所定の式を満たすことを特徴とするものである。従来の鋼管矢板式係船岸はSKY400やSKY490といった比較的降伏強度の低い鋼材を使用していたが、船舶の大型化や係船岸の大水深化に伴い矢板壁の剛性が増大し、鋼重及び建設コストが増大するという課題があった。 【争点】 主な争点は、(1)サポート要件に関する判断の誤り(取消事由1)、(2)甲1文献(港湾構造物設計事例集)に基づく進歩性の判断の誤り(取消事由2)、(3)甲2文献(タイロッド式矢板壁の力学挙動の解析に関する論文)に基づく進歩性の判断の誤り(取消事由3)、(4)実施可能要件に関する判断の誤り(取消事由4)の4点である。原告は、ρの式を導き出した図2のグラフは特定条件下の試算結果にすぎず他の条件に拡張できる根拠がないこと、甲1文献等から当業者がρの式を容易に導出できること、及び明細書の記載が実施可能要件を満たさないことなどを主張した。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。サポート要件(取消事由1)について、裁判所は、ρの式は公知の「Roweの修正法」の(2)式に基づくものであり、本件明細書の試計算で用いられた条件と異なる条件で計算した場合であっても、地盤反力係数が同一であればρの数値は図2のグラフの曲線のいずれかにプロットされ、ρの式を満たす場合にはM_F/M_Tの値は最大で1.1程度となるとともにρとの関係でM_F/M_Tの変化が小さい領域であることは当業者にとって明らかであるとして、サポート要件違反はないと判断した。進歩性(取消事由2・3)について、裁判所は、甲1文献及び甲2文献にはρの値を地盤係数1_hの関係式として限定することについての記載や示唆がなく、本件特許出願当時はSKY400又はSKY490を使用することが前提とされていたことから、当業者がρの式を容易に導出し得たとは認められないとした。実施可能要件(取消事由4)についても、当業者が発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識に基づいて過度の試行錯誤を要することなく実施できる程度の記載があるとして、審決の判断に誤りはないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。