不正競争行為差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社喜代村)は、「すしざんまい」の名称で全国的にすし店を展開する会社であり、「つきじ喜代村 すしざんまい SUSHIZANMAI」のロゴ商標(原告商標1)、標準文字の「すしざんまい」(原告商標2)及び「SUSHI ZANMAI」(原告商標3)の各登録商標権を有している。被告(ダイショージャパン株式会社)は、魚介類及び水産加工品の輸出入等を行う会社であり、その完全親会社であるダイショーシンガポールやグループ会社のスーパースシがマレーシアにおいて「Sushi Zanmai」という名称のすし店を展開している。原告は、被告が管理するウェブページに「Sushi Zanmai」(被告表示1)及び筆書体様の「寿司三味」と「Sushi Zanmai」を組み合わせたロゴ(被告表示2)を掲載した行為、並びにFacebookアカウントのプロフィール写真に被告表示2を掲載した行為が、不正競争防止法2条1項1号又は2号の不正競争に該当し、かつ原告の各登録商標権を侵害するとして、被告各表示の差止め及び削除並びに損害賠償合計1100万円の支払を求めた。 【争点】 (1) 商標権侵害の成否(原告各商標と被告各表示の類否、指定役務と被告各表示に係る役務の類否、被告が原告各商標を「使用」したといえるか、故意又は過失の有無)、(2) 不正競争防止法2条1項1号該当性(原告各表示の周知性、原告各表示と被告各表示の類否、被告による「使用」の有無、混同のおそれ)、(3) 不正競争防止法2条1項2号該当性、(4) 損害の発生及び額。 【判旨】 裁判所は、原告各商標と被告各表示は類似すると判断した。原告商標1の要部である「すしざんまい」と被告表示1の「Sushi Zanmai」は、外観こそ平仮名とアルファベットで異なるが、いずれも「スシザンマイ」という称呼及び「すしに熱中する」という観念を生じさせ、称呼及び観念が同一であることから類似するとした。被告表示2についても同様に類似を認めた。役務の類否については、被告のウェブページにおける被告各表示は「すしを主とする飲食物の提供」と類似する役務に係るものであり、指定役務と類似すると認定した。被告が本件各ウェブページに被告各表示を掲載した行為は、商標法2条3項8号の「使用」に該当するとした。一方、Facebookアカウント写真の掲載行為については、本件各アカウントはスーパースシが開設・運営するものであり、被告が管理していると認められないとして、被告による「使用」とは認めなかった。損害額については、商標法38条2項の適用は、原告がマレーシアに店舗を有しておらず市場が競合しないことから否定したが、同条3項により、本件すし店に対する売上高約1億4475万円に使用料率3.8%を乗じた550万0809円を損害と認定し、弁護士費用50万円と合わせて600万0809円の支払を命じた。