収賄、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、国土交通副大臣として道路、航空、北海道開発及び観光関係施策の総括等の職務に従事するとともに、内閣府副大臣としてIR(特定複合観光施設区域)整備に関する事務を担当していた被告人Aと、その政策担当秘書であった被告人Bが共謀の上、日本でのIR事業参入を目指す外国企業a社の関係者らから、同社が有利かつ便宜な取り計らいを受けたいとの趣旨の下に、(1)被告人A管理の口座への200万円の振込入金、(2)衆議院第一議員会館の事務所における現金300万円の供与、(3)中国・深圳及びマカオへの旅行招待(航空運賃・宿泊代・カジノ遊興費等合計約1825万円相当)、(4)北海道留寿都村等への旅行招待(航空運賃・宿泊代等合計約76万円相当)を受けて賄賂を収受したという収賄の事案である。さらに、被告人Aが保釈中に、上記現金300万円の収賄被告事件に関し、現金供与の際に被告人Aがいなかった可能性があるなどの虚偽の証言をさせる報酬として、証人らに対し現金供与の申込みをしたという証人等買収(組織的犯罪処罰法違反)の事案でもある。被告人両名及び弁護人は全ての公訴事実を争い無罪を主張した。 【争点】 主な争点は、(1)200万円の振込入金について賄賂の認識及び被告人両名の共謀の有無、(2)会館事務所における現金300万円の授受の有無及び被告人Aの面会の事実、(3)深圳・マカオ旅行及びルスツ旅行の費用負担に関する認識と収賄の故意・共謀の有無、(4)証人等買収の故意及び共謀の有無、(5)被告人Bの検察官調書の証拠能力及び信用性(双極性感情障害による入院中の取調べ)である。 【判旨(量刑)】 東京高等裁判所は、被告人両名の控訴をいずれも棄却した。200万円の振込入金については、当初50万円の講演料が副大臣就任祝いの趣旨で4倍に増額された経緯から賄賂性を認定し、被告人Bの検察官調書に基づき両名の共謀を認めた。現金300万円の授受については、贈賄側証人D及びEの各証言が、海外からの現金持込み、面会直前のメッセージのやり取り、翌日夜の残金確認状況等の客観証拠と整合しており十分信用できるとした。被告人Bの検察官調書についても、入院中の取調べではあったが担当医師が取調べに耐えられる状態と判断しており、証拠能力・信用性を肯定した。各旅行についても、a社側の費用負担による無償接待旅行であることの認識を認定した。原判決の被告人Aを懲役4年・追徴758万5779円、被告人Bを懲役2年・執行猶予4年とした量刑判断を維持した。