AI概要
【事案の概要】 本件は、発明の名称を「携帯電話、Rバッジ、受信装置」とする特許第4789092号の特許権(本件特許権)を有していた原告モビリティ及び本件特許権の専用実施権者である原告モビリティ・エックスが、被告(株式会社ジィ・シィ企画)による決済端末製品(CARD CREW PLUS等)の製造及び譲渡が本件特許権及び専用実施権の侵害に当たると主張して、不法行為に基づく損害賠償として合計2500万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。本件特許は、RFIDインターフェースを有する携帯電話と受信装置に関し、受信装置が携帯電話に対して個別情報の発信要求をし、受信した個別情報が要求した個別情報であるか否かを判断し、一致した場合に処理を行うという情報保護技術に係るものである。 【争点】 主な争点は、(1)被告各製品が本件発明の技術的範囲に属するか(構成要件K〜Nの充足性)、(2)無効の抗弁の成否(明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反、乙7文献・乙12文献・乙9文献・乙10文献・乙16文献等を主引用例とする新規性又は進歩性欠如)、(3)損害額である。 【判旨】 裁判所は、本件の事案に鑑み、争点2-5(乙12文献を主引用例とする新規性又は進歩性欠如)から判断した。まず、本件発明はサブコンビネーション発明であり、請求項5の構成要件Jの「請求項4記載の携帯電話との間で送受信するための」との記載は、受信装置の構造・機能等自体を特定するものではなく、受信装置に係る発明を特定するために意味を有しないとして、この部分を除外して本件発明の要旨を認定すべきと判断した。その上で、乙12文献(自動改札システムに関する特許公報)に記載された発明と本件発明を対比し、構成要件Jについては乙12文献の「無線送受信部132」がRFIDインターフェースに相当し、構成要件Kについては「チケットデータ」が「個別情報」に相当し、構成要件Lについては自動改札機がチケットデータの正当性を判断する構成が「判断手段」に相当し、構成要件M及びNについても乙12文献の構成が相当すると認定した。以上により、本件発明は乙12発明と同一の構成を有しており新規性を欠くから、本件特許は特許無効審判により無効とされるべきものと認め、原告らは被告に対してその権利を行使することができないとして、原告らの請求をいずれも棄却した。