AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社丸井グループ)は、被告が商標権者である登録商標「O!OiMAIN」(本件商標)について、商標登録無効審判を請求した。原告は、昭和12年に設立され、昭和47年頃から若年層向けアパレル・ファッションの小売販売業を展開し、全国23店舗を有する東証一部上場企業である。原告らは、2つの丸と2本の縦棒を交互に表した図形「○|○|」からなるハウスマーク(原告標章)を昭和48年頃から店舗看板やウェブサイト等で使用しており、「マルイ」の称呼で取引者・需要者の間に広く認識されていた。特許庁は令和5年5月18日、本件審判の請求は成り立たないとの審決(本件審決)をしたため、原告がその取消しを求めて本件訴えを提起した。争点は、本件商標が商標法4条1項11号(類似商標)及び同項15号(混同を生ずるおそれ)に該当するか否かである。 【争点】 (1) 本件商標が商標法4条1項11号に掲げる商標に該当するか(本件商標と原告の各引用商標との類否) (2) 本件商標が商標法4条1項15号に掲げる商標に該当するか(混同を生ずるおそれの有無) 【判旨】 裁判所は、本件審決を取り消した(原告の請求認容)。まず、原告標章は本件出願日及び査定日において、原告らの業務に係る商品又は役務を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されていたと認定した。次に、本件商標の分離観察の可否について、本件商標は「O!Oi」と「MAIN」の2つの構成部分からなるところ、「MAIN」は「主要な」を意味する平易な英単語であり識別力が相対的に弱いのに対し、「O!Oi」部分は特定の意味合いを有しない造語で視覚的に目立つこと、また被告が代表者を務めるファインドフォーム社が「OIOI」「OiOi」「O!Oi」等の標章を商品に付して販売している取引の実情があることから、O!Oi部分が取引者・需要者に対し商品の出所識別標識としての印象を強く与えると判断し、分離観察を許容した。そして、本件商標のO!Oi部分と引用商標3を比較し、外観において「O!Oi」と「○|○|」は「!」と「|」、「i」と「|」が実質的に変わりのないものと理解され得ることから極めて相紛らわしく、称呼においてもO!Oi部分から「マルイ」の称呼が生じ、観念においても引用商標3から生じる「丸井又はマルイのロゴマーク」の観念と同様の観念が生じ得るとして、両者は類似すると認めた。指定商品についても、本件商標の指定商品は引用商標3の指定商品の一部と同一又は類似すると認定し、本件商標は商標法4条1項11号に該当するとして、これと異なる本件審決の判断は誤りであり取消事由があると結論づけた。