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下級裁

国家賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ244
事件名
国家賠償請求事件
裁判所
高知地方裁判所
裁判年月日
2024年3月29日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
佐々木隆憲梅本聡子尾﨑充浩

AI概要

【事案の概要】 原告ら(32名)は、①内閣が平成26年7月1日に「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題する基本方針を閣議決定したこと、②内閣が平成27年5月14日に平和安全法制関連2法(平和安全法制整備法及び国際平和支援法)に係る法律案を閣議決定したこと、③内閣総理大臣が同月15日に法律案を国会に提出したこと、及び④国会が当該法律案を可決したこと(以下、これらを併せて「本件各行為」という。)によって、平和的生存権、人格権又は人格的利益及び憲法改正・決定権を侵害され、精神的苦痛を被ったと主張して、被告(国)に対し、国家賠償法1条1項に基づき、慰謝料各10万円(一部原告は各2万5000円)及び遅延損害金の支払を求めた事案である。差戻前の第一審は請求をいずれも棄却し、控訴審は「基本となる口頭弁論に関与」しなかった裁判官による判決であるとして差戻前の第一審判決を取り消し、差し戻した。本件は差戻後の第一審である。 【争点】 (1) 本件各行為の国賠法上の違法性、特に本件各行為によって原告らの権利又は法律上保護される利益が侵害されたか。 (2) 原告らが被った損害。 【判旨】 裁判所は、原告らの請求をいずれも棄却した。 (平和的生存権について)憲法前文は個別具体的な権利を保障するものではなく、憲法全体に通ずる基本的精神・理念を宣明するものであり、「平和のうちに生存する権利」にいう「平和」とは理念ないし目的としての抽象的概念である。憲法9条も「国の権利及び義務」を定めた第3章ではなく「戦争の放棄」について定めた第2章に置かれた規定であり、国民の具体的な権利を直接保障したものと解することはできない。憲法13条も一般的包括的規定であるが、「平和」自体が抽象的概念であり「平和のうちに生存する権利」の具体的な内容を特定することは困難であるから、同条を根拠として平和的生存権という具体的な権利又は法律上保護される利益が保障されていると解することはできない。 (人格権等について)原告らが主張する「平和国家として存立してきた我が国の国民であることの名誉や尊厳」等は、その具体的な内容が一義的に定まるものではなく、個々人の主観的な価値観に大きく左右される極めて抽象的な概念である。また、本件各行為がなされた以降に他国民の生命、身体又は財産を侵害する現実的かつ具体的な危険が生じたという事情は見当たらず、原告らの主張は自らの思想、信条、政治的見解等と相容れない立法行為により精神的苦痛を感じたというものであり、多数決原理を基礎とする代表民主制の下で不可避的に生じ得る事態であって、社会的に受忍しなければならないものである。 (憲法改正・決定権について)憲法改正に係る国会の発議がなされていない段階において、原告らが主張する実質的な憲法改正をされることがないというものが、何らかの具体的な権利又は法律上保護される利益として保障されているものと解することはできない。 以上から、本件各行為により原告らの具体的な権利又は法律上保護される利益が侵害されたと認めることはできず、本件各行為が国賠法上違法であると評価される余地はない。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。