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知財

発信者情報開示請求事件

判決データ

事件番号
令和5ワ70193
事件名
発信者情報開示請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2024年4月18日
裁判官
杉浦正樹

AI概要

【事案の概要】 原告(動画の制作等を行う株式会社)は、氏名不詳の発信者らがファイル交換ソフトウェア「BitTorrent」を利用したP2Pネットワークを使用して、原告が著作権を有する各動画を自動公衆送信したことにより、原告の著作権(公衆送信権)が侵害されたことは明らかであると主張して、インターネット接続サービスを提供する被告(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社)に対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)5条1項に基づき、発信者情報の開示を求めた事案である。原告は訴訟提起に先立ち、BitTorrentを使用した著作権侵害に係る調査を調査会社に委託し、同社がBitTorrentの開発・管理運営を行う会社が管理・運営するクライアントソフト「μtorrent」を使用して、発信者らのIPアドレスや接続日時等を特定していた。 【争点】 主な争点は、権利侵害の明白性であり、具体的には以下の点が争われた。(1)本件クライアントソフトの信頼性:被告は、同ソフトがいわゆる認証ソフトウェアではなく、「下り速度」「上り速度」の表示がないことから調査の信用性を欠くと主張した。(2)公衆送信権侵害の有無:被告は、BitTorrentではファイルを細分化したピースを転送し合う仕組みであるため、1つのピースからは動画の本質的特徴を直接感得できる映像を再生できない可能性があり、また調査会社が発信者らに係るピアからのみピースをダウンロードしたとは限らないとして、自動公衆送信権侵害があったとはいえないと争った。 【判旨】 請求認容。裁判所は、以下のとおり判断して原告の請求を全部認容した。第一に、本件クライアントソフトはBitTorrentの開発・管理運営を行う会社により管理・運営されており、BitTorrentプロトコル定義で設定されたガイドラインを遵守するものであるから、対象ファイルのピースのダウンロード及びアップロードを行っているピアのIPアドレスを正確に取得・表示するものでなければクライアントソフトとして十分な機能を果たし得ないと解されるとした。また、「下り速度」「上り速度」の表示がなくとも、一般的にBitTorrentを介したファイルのダウンロードが進むことは証拠上確認されており、調査においても「ダウンロード中94.4%」等の表示からダウンロードが進行していたことが認められるとして、クライアントソフト及び調査の信用性を肯定した。第二に、公衆送信権侵害について、ダウンロード中であっても保有率が相当少ない場合にも動画を再生できること及び侵害動画が再生できることが確認されており、発信者らが送信し調査会社がダウンロードした侵害動画のファイル(ピース)は、動画の表現の本質的特徴を直接感得し得る程度に再生可能であったとみられるとした。以上より、原告の著作権(公衆送信権)の侵害が明白であり、原告には損害賠償請求等の権利行使を予定していることから発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるとして、開示請求を認めた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。