都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3103 件の口コミ
下級裁

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和5ネ283
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
名古屋高等裁判所
裁判年月日
2024年4月18日
原審裁判所
名古屋地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、特別養護老人ホーム(本件施設)に入所していたC(重度のアルツハイマー型認知症、要介護5)の相続人である一審原告ら(A及びB)が、本件施設を運営する一審被告に対し、Cが食事を誤嚥して令和元年12月12日に死亡したのは、一審被告がCの食事を全介助すべき義務を怠り、少なくとも食事中に常時見守るべき注意義務等を怠ったためであるとして、債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償として合計3553万1332円(一審原告一人につき1776万5666円)及び遅延損害金の支払を求めた事案である。原審(名古屋地方裁判所)は、一審原告らの請求のうち各689万2117円及び遅延損害金の限度で認容し、その余を棄却したところ、一審原告ら及び一審被告の双方が自身の敗訴部分につき控訴した。Cは入所後、食事中にせき込んだり嘔吐することがあり、D医師が全粥・刻み食とする旨の指示(本件指示)を出していたが、一審被告は令和元年8月10日以降、D医師の了承を得ずに主食を全粥から汁等でふやかした米飯に再変更して提供していた。令和元年12月12日の夕食時、Cは食事中に食べ物を喉に詰まらせ、職員らが対応したものの窒息状態を解除できず、搬送先の病院でも気管内に食べ物の残渣が大量に詰まっており、死亡するに至った。 【争点】 (1) 一審被告がCの食事を全介助すべき義務に違反したか。 (2) 一審被告がD医師の指示に従った食事を提供すべき義務に違反したか(主食を全粥から汁等でふやかした米飯に変更したことが本件指示に反するか)。 (3) 一審被告がCの食事を常時見守る職員を配置すべき義務に違反したか。 【判旨】 控訴審(名古屋高等裁判所)は、一審被告の控訴に基づき原判決中の一審被告敗訴部分を取り消し、一審原告らの請求をいずれも棄却した。争点(1)について、介護認定の調査項目で食事摂取が全介助とされていたものの、それは施設職員の聞き取りに基づくものであり、家族との外食時は見守り程度で自分で食べられるとされ、主治医意見書でも食事行為は自力で可能と評価されていたことから、直ちに食事の全介助義務があったとはいえないとした。争点(2)について、D医師の本件指示は嘔吐防止を目的とするものであり、D医師自身が全粥を汁等でふやかした米飯に変更することは本件指示の趣旨に反しないと証言していること、汁等でふやかした米飯は相応に水分を含む状態であり窒息のリスクに大きな差はないことから、食事形態の変更は本件指示に反するものとはいえず、注意義務違反は認められないとした。争点(3)について、Cに嚥下機能の低下があったとは認められず、食事形態の再変更後も嘔吐の頻度が有意に増加した事実はなく、誤嚥事故の発生を具体的に予見できたとはいえないとした。さらに、事故当時の職員配置(入居者29名に対し職員5名)も不相当とはいえず、実際に職員がCの様子を確認しつつ小皿に取り分けて提供し、その場を離れて10秒にも満たない短時間で別の職員が異変に気付き対応していたことから、安全配慮義務違反は認められないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。