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下級裁

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和5ネ426
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
名古屋高等裁判所
裁判年月日
2024年4月18日
裁判官
長谷川恭弘上杉英司寺本明広
原審裁判所
名古屋地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 出生後間もなく喉頭軟化症と診断され、気管切開術を受けてカニューレ(気管切開孔から気道内に挿入されるパイプ状の医療器具)を装着し人工呼吸器管理となっていた乳児Cが、被控訴人病院(一宮市立市民病院)に入院中、わずか3〜4週間の間に3回ものカニューレ事故(閉塞、事故抜去又は閉塞を伴う迷入)が発生した。Cの退院翌日の朝、自宅でCにチアノーゼが出現し、カニューレ内の閉塞を伴う事故が発生したが、両親である控訴人らは適切な救命措置をとることができず、Cは低酸素脳症による不可逆的な虚血性脳障害を負い、約2年半の入院生活を経て3歳で死亡した。控訴人ら(Cの両親)は、被控訴人病院の医師がCを退院させるに際して療養指導義務を怠ったことが事故の原因であるとして、被控訴人(一宮市)に対し、不法行為又は債務不履行に基づく損害賠償を求めた。原審はいずれの請求も棄却したため、控訴人らが被控訴人病院関係分のみ控訴した。 【争点】 1. 被控訴人病院医師の療養指導義務違反の有無(入院中に3回発生したカニューレ事故の具体的な説明、原因・態様に応じた予防方法、事故発生時の対処方法、特にBLS(一次救命処置)における気道確保の重要性について、素人である控訴人らに十分な指導を行ったか) 2. 退院時期の判断を誤った過失の有無(カニューレ事故の原因解明・対策が未了のまま退院させたことの当否) 3. 被控訴人病院医師の注意義務違反ないし過失とCの死亡との因果関係 4. 控訴人らの損害額 【判旨】 控訴認容(原判決変更)。裁判所は、以下の理由により被控訴人病院医師に療養指導義務違反があったと認定した。Cには入院中の短期間に3回ものカニューレ事故が発生しており、その原因・態様は外見上判別し難い不完全抜去等を含む多様なものであった。被控訴人病院内でさえ換気状態の改善が容易でなかったことからすれば、退院後も多様な原因・態様によるカニューレ事故が発生し得る蓋然性が高いことは当然に予見できた。したがって、被控訴人病院の担当医師(D医師)には、素人である控訴人らに対し、入院中に発生した3回のカニューレ事故の具体的内容、多様な原因による事故が起こり得ること、予防方法及び事故発生時の対処方法(特に気道確保の重要性を含むBLS指導)を十分に説明指導すべき注意義務があった。しかし、D医師はカニューレ交換の練習を実施させたものの、3回のカニューレ事故についての具体的説明を行わず、BLS指導も控訴人Bに対して一応のものを行ったにとどまり、緊急性の高い換気不能時の気道確保の重要性について何ら説明・指導をしなかった上、控訴人Aに対してはBLS指導自体を一度も行わなかった。このようなD医師の指導は本件療養指導義務を履行したとはいえない。因果関係についても、控訴人らが気道確保の重要性を認識して吸引カテーテルによる吸引及びカニューレの交換又は抜去を行い、気道を確保した上で心臓マッサージ等の救命措置を実施しさえすれば、Cの低酸素脳症を回避できた高度の蓋然性があったとして、被控訴人病院医師の過失とCの死亡との間の相当因果関係を認めた。損害額として、Cの損害(死亡逸失利益3063万0111円、死亡慰謝料2300万円等合計6821万8601円)の相続分及び控訴人ら固有の慰謝料等を合わせ、控訴人らに対し各3740万9300円及び遅延損害金の支払を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。