AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社GSユアサ)は、「電池」に関する特許権1(特許第5713127号)及び「蓄電装置」に関する特許権2(特許第6493463号)を有している。原告は、被告(エリーパワー株式会社)が製造販売する蓄電システム(被告製品1)、蓄電装置(被告製品2)及び電池パック(被告製品3)が上記各特許権を侵害するとして、被告に対し、被告製品2の製造等の差止め及び廃棄、並びに民法709条に基づく損害賠償として合計12億7765万円及び遅延損害金の支払を求めた。原告は電池・整流器・変換器等の製造販売を目的とする会社であり、被告は電池・周辺機器・システムの開発等を目的とする会社である。被告は、平成22年5月から被告製品1を、平成28年10月から被告製品2を、同年4月から被告製品3をそれぞれ製造販売していた。 【争点】 (1) 被告製品が本件各発明の技術的範囲に属するか(争点1)。具体的には、被告製品1及び3が本件発明1の構成要件B2及びC2(「活物質未塗工部の外側面」に「表面が接合される」接続板部を有するか)を充足するか(争点1-1)、被告製品2が本件発明2の構成要件F2(外装体本体の開口部を密閉状態で塞ぐ内蓋部及び外蓋部を有する蓋体)及びG2(電極端子が配置されている側)を充足するか(争点1-2)。(2) 本件特許1に無効理由があるか(争点2)。乙9発明、乙10発明、乙11発明に基づく進歩性欠如の有無。(3) 本件特許2に無効理由があるか(争点3)。(4) 損害の発生及びその額(争点4)。 【判旨】 一部認容。裁判所は、被告製品1及び3は本件特許権1を侵害すると判断し、被告製品2は本件特許権2を侵害しないと判断した。争点1-1について、本件発明1の発電要素は特定の形状に限定されず、「接合」は直接接触に限定されないと解釈し、クリップ部材を介して活物質未塗工部と接続板部の表面が離れないように合わせられている被告製品1及び3は構成要件B2及びC2を充足するとした。争点1-2について、構成要件F2の「密閉状態で塞ぐ」は内蓋部が外装体本体の開口部を密閉状態で塞ぐことを特定するものと解釈し、被告製品2の内蓋部には5か所のスリットがあるため密閉状態とはいえず、構成要件F2を充足しないとした。争点2について、乙9発明、乙10発明、乙11発明のいずれに副引用例の構成を組み合わせても本件発明1の構成に到達せず、進歩性欠如の無効理由は認められないとした。損害額については、特許法102条3項に基づく実施料相当額の損害として4億4250万円に消費税相当額及び弁護士費用を加え、合計5億2928万5945円の損害賠償を認めた。