AI概要
【事案の概要】 高知刑務所の刑務官であった被告人Aが、同刑務所で受刑中の被告人Bと刑務所外にいたDらとの連絡を、手紙の授受等の方法により4回にわたり仲介するという職務上不正な行為を行い、その謝礼等の趣旨で被告人Bから知人を介して合計20万円を無利息で借り受けて賄賂を収受した加重収賄の事案(判示第1)、被告人Bが前記のとおり被告人Aに賄賂を供与した贈賄の事案(判示第2)、及び被告人BがDと共謀の上、同刑務所の別の刑務官Cが同様の不正連絡を14回にわたり仲介したことについて、Dを通じてCに合計16万円を無利息で貸し付けて賄賂を供与した贈賄の事案(判示第3)である。被告人Bは、自身が関与したとされる詐欺事件の捜査状況を把握するために外部との不正連絡を図ったもので、房内に携帯電話を差し入れさせて刑務所外の者と直接通話するなどの行為にも及んでいた。 【判旨(量刑)】 被告人Aについて、裁判所は、刑務官として受刑者の更生と社会復帰を促す立場にありながら職責に背いて複数回にわたり不正連絡を仲介し、20万円という少なくない額を無利息・無担保で借り受けた行為は、刑務所の規律と秩序を阻害し厳しい非難を免れないとした。動機も借金返済資金や遊興費目的であり酌むべき点はなく、受刑者に不正連絡の仲介を自ら持ち掛けるなど積極的に関与した点も指摘した。一方、犯行を認めて反省していること、前科前歴がないこと、母親が情状証人として監督を誓約していることを有利な事情として考慮し、懲役1年6月・執行猶予3年とした(求刑:懲役1年6月)。 被告人Bについて、裁判所は、受刑者の立場にありながら2名の刑務官に賄賂を供与し、外部との不正連絡という自らの目的のために主体的に行動したと認定した。累犯前科1犯を含む懲役刑前科4犯を有し、いずれも服役しながら受刑中に犯行に及んでおり規範意識が欠如していると指摘し、事実を認め反省文を作成していることなどの有利な事情を考慮しても、懲役1年(未決勾留日数90日算入)が相当とした(求刑:懲役1年2月)。