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下級裁

護岸工事公金支出差止等請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和5行コ3
事件名
護岸工事公金支出差止等請求控訴事件
裁判所
福岡高等裁判所
裁判年月日
2024年4月24日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
西森政一㑨木泰治西森政一
原審裁判所
鹿児島地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 鹿児島県が、鹿児島県大島郡a町bに所在するb海岸(本件海岸)に、侵食対策事業としてコンクリート護岸(本件護岸)を設置するために必要な契約を締結し、公金を支出していたところ、控訴人ら(鹿児島県の住民10名)が、本件海岸に護岸を建設することは不要であり、生物環境や自然環境にも多大な影響を与え、ほかに取り得る手段と比較して得られる便益が乏しいことから、本件護岸の設置のための公金支出等は地方自治法2条14項及び地方財政法4条1項に反し違法であると主張した住民訴訟である。控訴人らは、鹿児島県知事であったA及びBに対する損害賠償請求と、今後予定されている護岸設置に関する公金支出等の差止めを求めた。一審の鹿児島地方裁判所は控訴人らの請求をいずれも棄却し、控訴人らが控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)本件護岸の設置に係る海岸保全事業の決定が著しく合理性を欠き、公金支出等が財務会計上の義務に違反する違法なものといえるか、(2)本件費用便益分析指針に基づく費用便益分析が義務付けられており、その分析結果によれば公金支出が財務会計上違法となるか、(3)本件護岸の設置が実質的には災害復旧であり、侵食対策事業の予算として承認された公金を支出する行為が予算の流用であって財務会計上違法といえるか、である。控訴人らは、本件海岸には長期的な汀線の陸側への後退という事実が存在せず侵食が想定される地域ではないこと、護岸設置以外に養浜や堆砂垣の設置等の代替手段があること、護岸の設置位置が砂丘の前縁部で海岸工学上不適切であること、さらにウミガメの産卵環境やリュウキュウアユ等の絶滅危惧種への悪影響など自然環境への配慮を欠くことを主張した。 【判旨】 控訴棄却。裁判所は、本件護岸の設置に係る海岸保全事業の決定は財務会計上の行為に先行する行為であり、先行行為に違法事由が存在する場合であっても、住民訴訟で請求が認められるのは、その先行行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものに限られると解した上で、当該先行行為が著しく合理性を欠き、予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵の存する場合でない限り、公金支出等が財務会計上の義務に違反するとはいえないとした。そして、海洋工学の専門家であるF教授の意見や現地調査の結果に基づき、本件海岸では台風による砂丘侵食が現実に発生しており、今後も同様の台風の来襲により墓地や人家に被害が及ぶおそれがあるとの鹿児島県知事の判断には、専門技術的知見に照らして不合理な点は認められないと判断した。費用便益分析については、海岸法14条の規定振りに照らし、法文上これが義務付けられているとはいえず、また地方自治法2条14項の最少経費最大効果原則における効果は貨幣換算できるものに限定されないとして、控訴人らの主張を退けた。予算流用の主張についても、海岸保全施設の役割には津波・高潮等による海水の侵入防止や人命・財産の防護も含まれ、侵食対策事業という名目で計上することが許されないとする理由は見出し難いとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。