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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和4ワ3980
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2024年4月26日
裁判官
友部一慶

AI概要

【事案の概要】 原告は、事故当時2歳の男児であり、令和2年4月から被告法人が運営する保育園に通園していた。原告の母は入園時に、原告が鶏卵及び小麦の食物アレルギーを有することを被告法人に説明し、被告法人もアレルギー除去食の提供等が可能である旨回答していた。保育園では、アレルギーを有する園児には他の園児と色が異なる専用の食器及びトレーを使用する運用がなされていた。 ところが、令和2年5月26日、保育園の調理師が鶏卵を含まないプリンを発注すべきところ、誤って鶏卵の含まれたプリンを発注し、原告がこれを摂食したことによりアレルギー反応を発症した(1回目の事故)。原告は救急搬送され、搬送先の病院で顔面・腹部・大腿に湿疹が見られたが、アナフィラキシー症状には至らず、同日中に帰宅した。被告法人の園長らは園側のミスを認めて謝罪し、再発防止策を講じた。 しかし、そのわずか16日後の同年6月11日、原告の担任保育士である被告Aが、園児におやつのパスタを提供する際、同パスタが全て小麦を含まないアレルギー除去食であると誤解し、原告に小麦を含むパスタを一般の食器で提供した(2回目の事故)。原告はパスタを完食後にアナフィラキシー症状を発症し、救急搬送された。搬送先の病院では蕁麻疹、喘鳴、嘔吐、呼吸困難、酸素飽和度の低下等の重篤な症状が認められ、約4時間にわたり酸素投与を要する状態が続き、2日間の入院を余儀なくされた。 【争点】 被告らの従業員に本件各事故の発生について過失があることには争いがなく、本件の争点は、本件各事故によって生じた原告の損害額である。主な対立点は慰謝料額の算定方法であり、原告はいわゆる「赤い本」の算定表によることは相当でないと主張し、被告らは同算定表によるべきと主張した。 【判旨】 裁判所は、1回目の事故に係る損害を3万6300円、2回目の事故に係る損害を23万7790円と認定し、原告の請求を一部認容した。 1回目の事故については、慰謝料を3万円と認定した。原告が2歳の男児であり、蕁麻疹等のアレルギー反応を発症して救急搬送され病院で治療を受けたことによる身体的・精神的負担は小さくなかったとしつつも、症状がアナフィラキシーには至らなかったことを考慮した。一方、食材の誤発注という調理師の基本的かつ容易な注意義務の懈怠に起因すること、事故発覚から救急通報まで約28分を要するなど応急措置の迅速性を欠いた面があることも指摘し、被告法人側の落ち度は大きいとした。 2回目の事故については、慰謝料を20万円と認定した。原告が重篤なアナフィラキシー症状を発症し、約4時間にわたり酸素投与を要する状態が続いて2日間入院したこと、治療を担当した医師が幼児には適応に疑義のあるエピペンの例外的処方を検討せざるを得ない状況であったことから、原告の身体的・精神的負担は相当大きかったと評価した。加えて、1回目の事故後に再発防止策を講じたにもかかわらず、わずか16日後に被告Aが2回目の事故を発生させたことも併せ考慮した。もっとも、2回目の事故後に被告法人側が見舞金3万円の支払や保育園入園時の費用等合計約8万9370円の返還を行ったことを踏まえても、慰謝料額は20万円が相当とした。 なお、慰謝料の算定方法について、「赤い本」の算定表は交通事故による外傷を想定して策定されたものであるが、相応の合理性及び客観性を備えており、交通事故訴訟以外の損害算定においても裁判実務上広く用いられていることから、保育園での事故による園児の慰謝料算定の参考とすることは許容されるとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。