AI概要
【事案の概要】 原告(PACRAFT株式会社)は、「袋体処理機」に関する特許(特許第7105571号)の特許権者である。本件特許の請求項1及び5に係る特許につき特許異議の申立てがされ、特許庁は、本件各発明が先願発明(特願2017-91671号)と実質的に同一であるとして、特許法29条の2の規定により特許を取り消す決定をした。原告は、先願発明の認定の誤り及び相違点に係る同一性判断の誤りを主張して、本件決定の取消しを求めた。 【争点】 本件各発明と先願発明との同一性(特許法29条の2)に関し、以下の3点が争われた。①先願発明の構成要件gの認定の当否及び看過相違点(相違点3)の有無、②相違点1(電磁コイルと電磁石の相違及び移送速度の調節に関する構成の差異)が実質的な相違点か否か、③相違点2(処理済みの袋が下流装置の上流側に「ストックされる」構成の差異)が実質的な相違点か否か。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。①相違点3(看過相違点)について、先願明細書の記載及び図面を詳細に検討し、充填工程の所要時間T2が密封工程の所要時間T1の2倍であること、時間T2において密封される容器の個数(2グループ分)と充填される容器の個数(2グループ分)が同じであることが先願明細書から読み取れるとして、原告主張の相違点3は認められないと判断した。②相違点1について、先願明細書に搬送速度を任意に設定できる旨の記載があることから、電磁コイルを電磁石として使用し電流に応じて移送速度を調節することは先願発明の当然の前提であるとし、実質的な相違点ではないと判断した。原告は本件発明の課題解決原理の根幹をなす構成であると主張したが、特許請求の範囲の記載からそのような技術思想を読み込むことは困難であるとして排斥した。③相違点2について、「ストック」の意義を本件明細書の記載に照らし「次の処理の対象となる袋等を当該袋体処理装置の上流側に待機させておくこと」と解した上で、先願発明においてもグループG2が容器密閉部の上流側で処理を受けることなく待機しており、直ちに次の密封工程に移行可能な状態にあるから、実質的な相違点ではないと判断した。