不正競争行為差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 神棚・神具の製造販売を業とする原告が、自社製造販売するモダン神棚板及び神具セットの商品形態には特別顕著な特徴があり、原告の商品等表示として周知であったところ、被告が同様の特徴を有する神棚板及び神具セットを販売する行為が不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に当たるとして、同法3条1項に基づく販売等の差止め・廃棄・ウェブページからの表示削除、及び同法4条に基づく損害賠償金3080万円等の支払を求めた事案である。原告は平成16年から神棚板、平成27年から神具セットの販売を開始し、ホームセンター等で広く販売していた。被告は令和2年10月から神棚板、令和3年11月から神具セットの販売を開始した。 【争点】 (1) 原告神棚板の商品形態(略三角形状の側板、上板、背板、破魔矢用貫通部、凹溝、着脱金具等の特徴)が原告の「商品等表示」といえるか (2) 被告神棚板が原告の周知の商品等表示と類似し混同を生じさせるか (3) 原告神具セットの商品形態(ガラス容器、木製神具膳、瓶子、榊立て等の特徴)が原告の「商品等表示」といえるか (4) 被告神具セットが原告の周知の商品等表示と類似し混同を生じさせるか (5) 損害及びその数額 【判旨】 請求棄却。裁判所は、商品形態が不正競争防止法上の「商品等表示」となるには、客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有すること(特別顕著性)と、その形態が特定事業者の出所表示として周知であること(周知性)が必要であるとの一般論を示した上で、原告神棚板について、特徴のうち着脱機能に関する部分は商品の機能をいうものであり商品等表示とはならないとし、残る形態的特徴についても、仮に顕著な特徴と認められるとしても、NHK「あさイチ」での紹介は1回にとどまり、新聞・雑誌への掲載も合計数回にすぎず、ホームセンターでの販売も多種類商品の一つとして展示されているにすぎないこと、同種特徴を備える他社製品も販売されていたことから、原告の出所表示として周知になったとは認められないと判断した。原告神具セットについても同様に、メディア露出の少なさ、多種類商品中の一つとしての販売態様、他社による類似特徴商品の存在から、周知性を否定し、争点1・3で商品等表示性が認められないため、その余の争点について判断するまでもなく請求を全部棄却した。