窃盗、詐欺、虚偽有印公文書作成・同行使
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、京都府警の現職警察官であった被告人が、約4年間にわたり以下の犯行を繰り返した事案である。①変死事案の現場臨場先で死者の部屋を物色し、現金約10万円及び腕時計1本を窃取(第1)、②一人暮らしで認知症の高齢者宅に防犯指導を装って訪問し、現金約300万円を窃取(第2)、③捜査諸雑費の私的費消を隠蔽するため、内容虚偽の支払伝票4通を作成・行使し、合計約1万1297円の返還を免れた詐欺及び虚偽有印公文書作成・同行使(第3)、④捜査協力者との会食中に同人の財布から現金12万円を窃取(第4)、⑤弁護士への謝礼金支払を偽って一般捜査費5万円を詐取し、虚偽の支払精算書を作成・行使(第5)、⑥量販店で販売価格合計約1万8862円の商品を万引き(第6)した事案である。被告人は遊興費及び借金返済のために各犯行に及んだ。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人を懲役3年の実刑に処した(求刑懲役4年)。量刑判断の中心となる第2の窃盗について、被害額が約300万円と高額であること、部下警察官から得た被害者の情報を利用し、警察官の職務遂行の外観に対する信頼を悪用して犯行に及んだ点が巧妙かつ悪質であり、強い非難に値するとした。第1及び第4の窃盗についても、いずれも警察官の職務遂行に対する信頼を悪用したもので誠に悪質であるとした。第5の詐欺等についても、捜査協力者への謝礼を偽装する手口が巧妙であり、公文書に対する公共の信用及び警察官の公費支出に関する社会の信頼を害するものと指摘した。動機は遊興費及び借金返済であって酌量の余地はなく、令和元年7月から令和5年4月までの長期間犯行を繰り返しており規範意識の鈍麻が顕著であるとした。他方、親族の協力により被害回復がなされていること、被害者らが宥恕又は処罰を裁判所に委ねる意思を示していること、3件について自首したこと、前科前歴がないこと等の有利な事情を最大限考慮しても、実刑をもって臨むほかないと判断した。なお、詐欺と虚偽有印公文書行使の罪数処理について、一般捜査費の交付と支払精算書の作成が一体的に行われる制度であることを踏まえ、両者を包括一罪と認めた。