AI概要
【事案の概要】 原告(梅乃宿酒造株式会社)は、「あらごしみかん」の文字を標準文字で表してなる商標について、指定商品を第33類「清酒、日本酒、焼酎、リキュール」等とする商標登録出願をしたところ、特許庁から商標法3条1項3号(品質表示)及び同法4条1項16号(品質誤認)に該当するとして拒絶査定を受けた。原告は拒絶査定不服審判を請求したが、審判でも請求不成立の審決がなされたため、知的財産高等裁判所に審決取消訴訟を提起した。 【争点】 (1) 本願商標が商標法3条1項3号(商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標)に該当するか。 (2) 本願商標が使用による識別力(商標法3条2項)を取得したか。 (3) 本願商標が商標法4条1項16号(品質誤認のおそれ)に該当するか。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。争点(1)について、指定商品の分野において「あらごし」の文字や同義語である「粗濾し」「粗ごし」等が、商品の原材料を粗くこしたものを表現するために広く使用されている実情が認められ、みかんを含む果実をあらごしして果肉等を残した商品の事例も存在することから、本願商標をその指定商品に使用するときは、需要者・取引者において「粗くこしたみかん」ほどの意味合いが認識され、商品の品質を表示するものと認識されるとして、3条1項3号該当性を肯定した。争点(2)について、原告が平成21年から「あらごしみかん」リキュールを販売し累計出荷200万本超・売上約21億6千万円を主張したが、リキュール全体の移出数量に占める割合は僅かであり、アンケート調査も対象が20〜50歳女性360名に限定され、原告商品を知っていると回答したのは9.7%、出所を認識していたのは約3.9%にすぎず、全国的に広く認識されているとは認められないとして、3条2項該当性を否定した。争点(3)についても、本願商標が品質表示と認識される以上、指定商品中「粗くこしたみかんを使用した商品」以外に使用すれば品質誤認のおそれがあるとして、4条1項16号該当性を肯定した。