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知財

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和5ネ10100
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2024年5月30日
裁判官
本多知成遠山敦士天野研司
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 東日本大震災の被災者に密着取材して制作されたドキュメンタリー映画「Life」の著作者である控訴人(映画監督)が、被控訴人(作家)が執筆し文藝春秋から出版されたノンフィクション書籍「捜す人 - 津波と原発事故に襲われた浜辺で」について、映画に係る著作権(翻案権)、著作者人格権(同一性保持権・氏名表示権)及び人格権ないし人格的利益が侵害されたと主張し、損害賠償金346万円等の支払を求めた事案の控訴審である。原審(東京地裁)は控訴人の請求を棄却しており、控訴人がこれを不服として控訴した。両作品は、震災で家族を失った被災者Aや行方不明者の捜索を続けるBの言動・心情等を描いている点で共通するが、映画は映像によるドキュメンタリー、書籍はオムニバス形式のノンフィクションであり、媒体や構成が異なっていた。 【争点】 (1) 書籍の執筆・出版により映画に係る翻案権が侵害されたか、(2) 同一性保持権及び氏名表示権が侵害されたか、(3) 控訴人の人格権又は法的保護に値する人格的利益が侵害されたか、(4) 損害額。控訴人は、被控訴人が映画を6回以上視聴しDVDの提供を繰り返し求めていたこと、被控訴人が映画の各場面(全17場面)に立ち会っておらず事後的な取材しかしていないことなどから、映画に依拠して書籍を執筆したことは明らかであり、映画の創作的表現が書籍に再現されていると主張した。 【判旨】 知財高裁(本多知成裁判長)は、控訴棄却とした。裁判所は、翻案の成否について最高裁平成13年6月28日判決の判断枠組みに従い、17場面すべてについて個別に検討した。その結果、映画と書籍で共通する部分は、いずれも被災者Aらが経験した客観的事実、Aらの思想・心情、またはAら自身の発言内容であり、「表現それ自体でない部分又は表現上の創作性がない部分」において同一性を有するにすぎないと判断した。控訴人が信頼関係の構築や問いかけの工夫によって取材対象者の発言を引き出した点については、発言内容そのものは取材対象者の思想であって控訴人の創作的表現とはいえないとした。また、映像の編集・構成上の工夫(映像の重ね合わせ、時系列の組替え等)は映画固有の表現上の特徴であるが、そうした特徴が書籍の記述と共通しているとはいえないとした。もっとも、被控訴人が映画に依拠したこと自体は否定できないとしつつも、共通部分が表現上の創作性のない部分にとどまる以上、翻案には当たらないと結論づけた。同一性保持権・氏名表示権の侵害も、翻案が成立しない以上認められず、人格権侵害の主張についても、その実質は著作権法が保護する法益そのものであり、著作権・著作者人格権の侵害が認められない以上、別途の人格権侵害も認められないとして、全争点について控訴人の主張を退けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。