強盗致傷、窃盗、建造物侵入被告事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人は、窃盗グループの一員として、令和4年7月から9月にかけて、事後強盗致傷1件、自動車窃盗2件、店舗への侵入窃盗3件の計6件の犯行に関与した。第1の事件では、共犯者Aと共謀して和歌山県内の店舗から普通乗用自動車1台(時価約350万円相当)を窃取した際、異変に気付いた店舗経営者が車両前方に立ちふさがって制止しようとしたのに対し、逮捕を免れるため車両を前進させて同人に衝突させ、約2週間の加療を要する左中指挫創等の傷害を負わせた(事後強盗致傷)。第2・第3の事件では滋賀県内で自動車各1台を窃取し、第4の事件ではペットショップに侵入して犬2匹(時価合計約43万円相当)を窃取、第5・第6の事件では京都府内のサービスステーション及び店舗に侵入し、現金や物品を窃取した。被告人には累犯前科があり、前刑の執行終了後2年足らずで第1の犯行に及んでいた。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人を懲役7年に処した(求刑懲役10年、弁護人の科刑意見懲役6年6月)。量刑の中心となる事後強盗致傷について、被告人が一連の実行行為を自ら行っていること、暴行態様は発進直後で速度がさほど出ておらず極めて危険とまではいえないものの、より重い結果が生じ得る相応に危険なものであったこと、被害車両が希少価値のある高額車で被害者らの精神的苦痛も大きいことを指摘した。第2ないし第6の各事件については、窃盗グループによる常習的かつ職業的な犯行であり、件数・被害総額もかなり多いとした。被告人は首謀・主導したものではなく従たる立場で加担したにとどまるが、犯行準備や車の提供、盗品の保管場所提供など必要な役割を担い、盗んだ現金についてはおおむね等分の分け前を得ていたことから、首謀者Aよりは軽いが格段に軽いとまではいえないとした。他方、被害車両が発見・還付され、被害者及び所有者に各110万円の被害弁償がなされていること、被告人が各事実を素直に認めて反省の情を示していること、妻ら家族や雇用・監督を申し出た知人の存在を有利な情状として考慮し、同種事犯の量刑傾向も参考にした上で、ふさわしい刑期の幅の中で軽めの刑として主文の量刑を相当と判断した。