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知財

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和5ネ10105
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2024年6月12日
裁判官
宮坂昌利本吉弘行岩井直幸
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 写真家である控訴人(原告)は、明治時代を想起させるセピア色のモノクローム写真作品を収めた写真集「幻視」を発表していた。被控訴人(被告)の日本たばこ産業株式会社は、平成16年頃、「さくら<SAKURA>」という紙巻きたばこの新製品を企画し、平成17年2月以降、鹿児島県と宮崎県で地域限定のテスト販売を行うこととした。被控訴人は広告代理店を通じて控訴人の写真作品の有償使用を打診し、控訴人はこれを了承して許諾料800万円で合意した。なお、両者間で使用許諾に係る契約書は作成されなかった。 控訴人は、(1)本件写真を掲載した冊子の頒布が許諾期間を超えて行われたとして著作権(複製権)侵害を、(2)自動販売機のガラス面に使用するため写真を大幅にトリミングした行為が著作者人格権(同一性保持権)侵害にあたるとして、合計8946万円の損害賠償を求めた。原審(東京地裁)は請求を全部棄却し、控訴人が控訴した。 【争点】 1. 本件冊子の頒布が許諾期間を超えて行われたか(複製権侵害の有無) 2. 写真のトリミングが控訴人の「意に反する改変」にあたるか(同一性保持権侵害の有無) 3. 消滅時効の成否 【判旨】 知財高裁は控訴を棄却した。 複製権侵害について、本件冊子が頒布されたのは販促活動の「店頭・VM展開」期間とされた平成17年2月から3月の間であり、控訴人主張の許諾期間(同年4月30日まで)を超えて頒布された事実は認められないとした。さらに、許諾期間についても、「販促活動の継続の有無にかかわらず4月30日で許諾期間が満了する」という趣旨の合意が成立していたとまでは認められないと判断した。 同一性保持権侵害について、裁判所は原審と異なる理由により侵害を否定した。デザイン案の段階で既にたばこパッケージと同じ大きさになるよう人物部分を切り出す大幅なトリミング手法が控訴人に示されていたこと、その後の調整過程で差し替えられたのは対象写真であってトリミング手法自体ではなかったこと、仮にトリミングを許諾しないという意思を明確にしていれば写真利用の構想自体が白紙となり800万円の許諾料の支払合意も解除されることが予想されるにもかかわらず控訴人は許諾料を受領していること等を総合し、控訴人はトリミング手法を用いた写真利用について明示又は黙示の許諾を与えていたと推認されるとした。また、打合せから15年以上が経過する中で記憶が変容した可能性にも言及し、十数年ぶりに改変後の写真を見て強い違和感を抱いたとしても、それを「意に反した改変」の根拠とすることは適切でないと述べた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。