公契約関係競売入札妨害被告事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 被告人は、地域開発事業の企画やコンサルティング等を業とする株式会社の代表取締役であった。被告人は、佐賀県神埼市が令和5年2月から3月にかけて実施した公募型プロポーザル方式による「ふるさと納税PR強化事業業務委託」の契約締結に関し、当時の神埼市長であった共犯者と共謀して不正行為に及んだ。 具体的には、被告人は共犯者である市長と親密な関係にあったことを利用し、同市において秘密事項として厳しく管理されていた審査委員会の評価委員の所属・氏名等の情報の教示を受けたほか、他の入札参加表明事業者の提案書の提供を受けた。被告人はこれらの秘密情報を自社内で共有し、第2次審査に向けた対策を講じただけでなく、評価委員やその関係者に直接接触して自社を売り込む行為にまで及んでいた。被告人の会社はふるさと納税関連業務の実績がなく、若い従業員を抱えて仕事を獲得したいという利欲的な動機から、市長に秘密事項の教示等を積極的に働き掛けて犯行に及んだものであった。 【判旨(量刑)】 裁判所は、本件について偽計入札妨害罪(刑法96条の6第1項)を認定し、懲役1年・執行猶予3年の判決を言い渡した(求刑:懲役1年)。 量刑判断において、裁判所は、被告人の犯行が参加事業者間の自由な競争を阻害し、公の入札の公正を害する程度が高い悪質なものであること、犯行への関与が積極的かつ主体的であること、動機や経緯に酌むべき事情がないことを指摘し、同種事案の中で決して軽い部類には属しないと評価した。 他方で、被告人が事実を認めて法廷で関係者への謝罪と再犯防止を誓い反省の態度を示していること、前科前歴がないことなどの被告人に有利な事情も認められることから、今回に限り刑の執行を猶予し、社会内での更生の機会を与えるのが相当と判断した。