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下級裁

殺人、殺人予備

判決データ

事件番号
令和3う2081
事件名
殺人、殺人予備
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2024年6月19日
裁判官
三浦透結城剛行河畑勇
原審裁判所
横浜地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 看護師であった被告人は、平成28年9月、勤務先の終末期医療を行う病院において、入院患者3名に対し、消毒用液(ヂアミトール)を点滴に混入するなどの方法で投与し、ベンザルコニウム中毒により死亡させて殺害した(殺人3件)。さらに、他の入院患者に投与予定の点滴バッグ4本及び生理食塩水にもヂアミトールを混入した(殺人予備1件)。被告人は、自閉スペクトラム症の特性を有し、看護業務に必要な臨機応変な対応が苦手で、患者の急変時に家族から責められることへの強い恐怖から鬱状態に陥っていた。自分の勤務時間外に患者を死亡させれば家族対応を免れられるという短絡的な発想に至り、犯行を繰り返した。第一審の裁判員裁判は、検察官の死刑求刑に対し被告人を無期懲役に処したところ、検察官が量刑不当等を、弁護人が事実誤認(心神耗弱の主張)をそれぞれ理由に控訴した。 【争点】 本件の主な争点は、(1)余罪に関する被告人の供述調書(原審乙6号証)を「関連性なし」として却下した原審の訴訟手続に法令違反があるか、(2)被告人の責任能力(完全責任能力か心神耗弱か)、(3)死刑を回避して無期懲役とした原判決の量刑が軽すぎて不当かの3点である。(1)について検察官は、起訴前の同種行為に関する供述調書が殺意の強さ・動機形成過程・常習性の立証に関連性を有すると主張した。(2)について弁護人は、被告人は自閉スペクトラム症に該当し、その二次障害としての鬱症状により心神耗弱であったと主張した。(3)について検察官は、死亡被害者3名の殺人事件で死刑が回避された過去の裁判例は心神耗弱・共犯・痴情のもつれ・無理心中の類型に限られ、本件はいずれにも該当しないから死刑が相当であると主張した。 【判旨(量刑)】 東京高裁は、検察官・弁護人双方の控訴をいずれも棄却し、無期懲役とした原判決を維持した。(1)余罪の供述調書について、その内容は起訴されていない複数の殺人の動機や方法を含む具体的かつ詳細なものであり、取調べを許容すれば裁判所に不当な偏見を与え、争点の混乱を引き起こすおそれがあるとして、原審の却下措置を相当と判断した。(2)責任能力について、発達障害に造詣の深いI医師の鑑定に依拠して自閉スペクトラム症の診断基準を満たさないとした原判決の判断は不合理ではなく、完全責任能力の認定に誤りはないとした。(3)量刑について、3名殺害の結果の重大性、計画的かつ悪質な犯行態様、身勝手極まりない動機を認めつつも、動機形成過程に被告人の自閉スペクトラム症の特性や鬱状態といった努力ではいかんともし難い事情が色濃く影響していること、元来反社会的傾向がなく更生可能性が認められることを指摘し、死刑の選択・非選択の判断においてこれらの事情は相応の意味を持ち得るとして、死刑を科すことが真にやむを得ないとはいえないとした原判決の判断は不合理ではないと結論付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。