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下級裁

遺言無効確認請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ161
事件名
遺言無効確認請求事件
裁判所
和歌山地方裁判所
裁判年月日
2024年6月21日
裁判種別・結果
棄却

AI概要

【事案の概要】 被相続人Aは、金融業や酒類販売等の幅広い事業を展開し、約15億円の遺産を残して死亡した。Aは生前、和歌山県田辺市を拠点に事業を営み、地元自治体への寄付を繰り返すなど郷土愛の強い人物として知られていた一方、複数の女性と交際して世間の耳目を集め、「N」と称されていた。Aは平成11年と12年に脳疾患を発症し、婚姻・離婚を繰り返したが子はなく、最終的に飼犬と独居生活を送っていた。 A名義の自筆証書遺言(平成25年2月8日付け)には、個人の全財産を田辺市(被告補助参加人)に寄付する旨と、経営する2社の清算を取締役Cに依頼する旨が、赤色サインペンで記載されていた。Aの法定相続人であるきょうだい及びその子ら(原告ら)が、遺言執行者である被告に対し、本件遺言が民法968条1項の自筆証書遺言の要件を充足しないとして、遺言無効の確認を求めた事案である。 【争点】 本件遺言書の全文、日付及び氏名をAが自署し、押印したか否か(民法968条1項の要件充足性)が争点となった。原告らは、筆跡がAのものと一致しないこと、実印が従業員でも使用可能な状態で保管されていたこと、遺言書の体裁(赤色サインペン、「いごん」の表記等)や内容(全財産の市への遺贈)が不自然であること、遺言書を保管していたC取締役がA死亡直後に遺言書の存在に言及しなかったこと等を主張し、A以外の者による偽造を主張した。 【判旨】 裁判所は、原告らの請求をいずれも棄却した。まず、民訴法228条4項は文書の成立の真正を推定するにとどまり、遺言書全文の自署を推認させるものではないとして、被告側の主張を退けた上で、個別の争点を検討した。 筆跡については、被告側提出の筆跡鑑定が、A固有の筆癖の存在や運筆の特徴からAの自署と結論づけており、その検討過程に不合理な点はないと判断した。原告側の複数の筆跡鑑定書については、対照資料の選別や認識に疑義がある等として採用しなかった。また、遺言書の文字にはインクだまりが認められ、透写による偽造の可能性は低いとした。押印についても、遺言書作成日前日にAの指示で印鑑登録証明書が発行されていたことから、A自身による押印と推認した。 遺言書の体裁については、赤色サインペンの使用やひらがな・カタカナの混用がAの嗜好・筆記習慣と一致すると認定した。遺言内容についても、Aが長年にわたり田辺市等へ寄付を行い、きょうだいに遺産を渡したくないと周囲に述べていた事実と矛盾しないとした。C取締役の遺言書保管に関する証言についても、5年以上の経過やAの死亡に伴う混乱等を考慮すれば相応に信用できると判断し、本件遺言は民法968条1項の要件を充足していると結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。