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下級裁

殺人未遂被告事件

判決データ

事件番号
令和6わ136
事件名
殺人未遂被告事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2024年6月21日
裁判官
井戸俊一新宅孝昭斎藤由里阿

AI概要

【事案の概要】 被告人は、約6年間交際していた被害者(当時25歳)と同居するマンション内において、被害者から別れ話を告げられたと思い、激しい怒りや絶望感を募らせた。被告人は、仕事の退職やパソコン操作への苛立ち、当日の交通事故などストレスが重なっていたところ、心の拠り所としていた被害者から別れを切り出されたことで精神的に追い詰められた。被告人は100円ショップで購入したセラミックペティナイフ(刃体約7.5cm)を手に取り、まず自分自身を傷つけることを考えたが、リストカット程度では被害者の気を惹けないと考え、攻撃の矛先を被害者に向けた。被告人は、背を向けて横たわっていた被害者の背部に、右の逆手で握ったナイフを力一杯振り下ろして1回突き刺し、左背部刺創、左肺損傷、左血気胸等の加療約1か月間を要する傷害を負わせたが、搬送先での迅速な救命措置により被害者は一命を取り留めた。被告人は境界性パーソナリティ障害を有しており、以前から被害者に対し「死ぬ」「殺す」と言ったり、包丁を突きつけたり、体当たりして川に落とそうとするなどの行為を繰り返していた。殺人未遂罪で起訴された。 【争点】 本件の争点は殺意の有無である。裁判所はまず、被告人に確定的殺意(殺そうという意思)があったかを検討し、これを否定した。凶器が100円ショップのセラミックナイフと殺傷力が限定的であること、背を向けた被害者の首筋等の急所ではなく背部を刺したこと、被害者が被告人にとってかけがえのない存在であったこと、従前から別れ話の際に過激な行動で翻意を図る行動パターンがあり本件もその延長と評価できることなどから、確定的殺意は認定できないとした。一方、未必的殺意(死んでも構わないとの認識)については、ナイフを逆手に握り力一杯振り下ろして背部という胴体部分を刺した行為は人を死亡させる危険性が高く、被告人もその危険性を認識していたと認定した。被告人はパニック状態にあったと主張したが、刺す前に5分程度思考を巡らせていた経緯から冷静な判断能力が残っていたと判断され、未必的殺意が認められた。 【判旨(量刑)】 懲役4年(求刑懲役5年)。裁判所は、犯行態様の危険性と被害者の肉体的・精神的苦痛の重大性を重視した。被害者は肺を損傷する重傷を負い、日常の些細なことでも本件を想起して苦しむほどの精神的苦痛を受け、志望していた医学部進学も断念せざるを得ない状況に追い込まれた。被害者が被告人の処罰を望まない旨の嘆願書を作成していたが、被害者自身が嘆願書は更生の観点に限った意見であると述べており、考慮にも限度があるとした。境界性パーソナリティ障害の影響は認めつつも性格傾向の域を出ないとし、更生に向けた方策の現実味の乏しさや監督者である父親の能力の限界も指摘して、執行猶予は相当でないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。