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知財

特許取消決定取消請求事件

判決データ

事件番号
令和5行ケ10061
事件名
特許取消決定取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2024年6月24日
裁判官
宮坂昌利本吉弘行岩井直幸

AI概要

【事案の概要】 原告(株式会社IHI)は、「燃焼器及びボイラ」に関する特許(特許第6880823号)の特許権者である。本件特許は、石炭火力発電においてCO2削減のためアンモニアを燃料として活用する際に、微粉炭とアンモニアを燃焼させるボイラにおいて窒素酸化物(NOx)を低減する技術に関するものである。具体的には、複数のバーナを炉壁に二次元状に配置し、個々のバーナを二重管状または三重管状に形成して、中心からアンモニア(第1燃料)を噴射し、周囲から微粉炭(第2燃料)及び燃焼用空気を噴射することで、アンモニア噴射領域の周囲に微粉炭燃焼による高温度領域(還元領域)を形成し、アンモニアの熱分解を促進してNOx生成を抑制するという発明である。 本件特許に対して特許異議の申立てがされ、特許庁は請求項1、3及び4に係る特許を取り消す決定をした。原告はこの取消決定の取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。 【争点】 主な争点は、本件発明が主引用例(甲2:微粉炭ボイラに関する公報)及び副引用例(甲1:コークス炉ガス精製時のアンモニア燃焼装置に関する公報)に基づいて容易に発明できたか否かである。具体的には、(1)甲1技術の「錐状炎」及びバーナの噴射態様の認定の当否、(2)甲2発明に甲1技術を適用する動機付けの有無、(3)相違点1(バーナの二重管・三重管構造とアンモニア噴射態様)についての容易想到性、(4)相違点2(還元領域として機能する高温度領域の形成)についての容易想到性が争われた。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。まず、甲1の「錐状炎」は中央に空所を有する環状の単一の炎として明確に把握でき、バーナは三重管状に形成されて中心からアンモニアを噴射する構造であると認定した。次に、甲2発明と甲1技術はいずれも燃焼熱を利用する装置であり同じ技術分野に属すること、出願当時CO2排出量低減が周知の課題であったこと、アンモニアの燃焼熱の熱源利用が技術常識であったことから、甲2発明に甲1技術を適用する動機付けがあるとした。さらに、甲1技術もアンモニアの熱分解により窒素酸化物を抑制するものであり本件発明と基本的な作用機序に差異はないこと、甲1の「比較的低温」は錐状炎外側との相対的比較であって高温度領域に相当し得ることを認定し、本件発明は甲2発明及び甲1技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとして、特許庁の取消決定に違法はないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。