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知財

発信者情報開示請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和6ネ10011
事件名
発信者情報開示請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2024年6月26日
裁判官
宮坂昌利本吉弘行岩井直幸
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 ビデオソフト・DVD等の制作販売を目的とする控訴人(有限会社プレステージ)が、P2P方式のファイル共有プロトコルであるBitTorrentを通じて、控訴人が著作権を有する動画(本件動画)の送信可能化権が侵害されたとして、インターネット接続サービスを提供する被控訴人(KDDI株式会社)に対し、プロバイダ責任制限法5条1項に基づき、発信者情報の開示を求めた事案である。原審(東京地方裁判所)は、BitTorrentネットワーク上の通信は著作物を「送信可能化」する行為に該当しないとして請求を全部棄却したため、控訴人が控訴した。本件では、調査会社が本件動画のハッシュ値を監視対象とし、BitTorrentネットワーク上でUNCHOKE通信(ピースのアップロードが可能であることを通知する通信)をした発信者のIPアドレス等を特定していた。 【争点】 主な争点は、(1)BitTorrentネットワーク上で著作物のファイルを細分化したピースを保有・送信可能な状態に置くことが送信可能化権の侵害に当たるか(権利侵害の明白性)、(2)送信可能化惹起行為そのものではないUNCHOKE通信に係る発信者情報が「権利の侵害に係る発信者情報」に該当するか、の2点である。被控訴人は、個々のピース自体が再生可能でなく表現上の本質的特徴を直接感得できない以上、送信可能化権侵害は認められないと主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は原判決を取り消し、発信者情報の開示を命じた。まず権利侵害の明白性について、送信されるデータが著作物性の認められる元のファイルの一部を構成するピースであり、かつ、これらピースを集積することで元のファイルに復元・再生することが可能なシステムの一環としてピースの送受信が行われている場合には、当該ピースの送信をもって公衆送信権・送信可能化権の侵害があったと評価すべきであるとした。個々のピースを断片的に取り上げて再生可能性や表現の本質的特徴の感得を求める解釈は「木を見て森を見ない」議論であり、公衆送信権の保護を形骸化させると判示した。次に「権利の侵害に係る発信者情報」該当性について、送信可能化権の侵害は自動公衆送信が可能な状態が継続している限り違法状態が継続しているものであり、著作権法2条1項9号の5イ・ロは違法状態を招来する「入口としての行為」を定義したにすぎないとした。そのため、UNCHOKE通信自体は送信可能化惹起行為ではないものの、送信可能化が完了し引き続き送信可能な状態にあることを直接的に示す通信であれば、その発信者情報は「権利の侵害に係る発信者情報」に該当すると判断した。ただし、再生不可能なピースしか保有しない発信者への損害賠償額は寡少と想定されるとして、権利行使の合理性・相当性には疑問を呈しつつも、正当な理由は否定できないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。