AI概要
【事案の概要】 原告(ケアストリーム・デンタル・テクノロジー・トプコ・リミテッド)は、「カラーテクスチャを伴う口腔内OCT」と題する発明について特許出願をしたが、拒絶査定を受けたため、拒絶査定不服審判を請求した。特許庁は、本願発明は先行技術文献(米国特許出願公開第2008/0062429号)に記載された引用発明から当業者が容易に発明できたものであるとして、審判請求を成り立たないとする審決をした。原告はこの審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。 本願発明は、口腔内の歯科用撮像において、光コヒーレンス断層撮影(OCT)データとカラー反射率画像を結合して表示する方法に関するものである。OCTは歯の断面構造を高解像度で撮像できる非侵襲性技術であるが、カラー画像情報を持たないという欠点があり、本願発明はカラーテクスチャ情報をOCTデータと組み合わせることで、歯の視覚化やシェードマッチング、病害検出等の精度向上を図るものであった。 【争点】 主な争点は、(1)本願発明の構成要件Dにおける「登録を通じてまたは登録を通じずに前記カラー反射率画像とOCTデータコンテンツとを結合すること」の技術的意義の認定の当否、(2)引用発明が本願発明の「結合すること」に相当する構成を備えているかであった。原告は、「結合すること」とは2Dカラー画像と3DOCTボリュームをテクスチャマッピングすることを意味し、引用発明は複数の2次元画像と1つのOCTスキャン画像を画面上に単純に配置しているにすぎないと主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。まず、「登録を通じてまたは登録を通じずに」という文言について、本願明細書に記載された同じ光路を共有する形態(登録不要)と光路が共有されない代替的形態(登録が必要)のいずれかに該当するものであり、「結合すること」を満たせば必然的にいずれか一方を満たすから、この文言の有無により特定事項は実質的に変わらないとした審決の認定に誤りはないと判断した。次に、「結合すること」の意義について、特許請求の範囲にはデータの次元が特定されておらず、テクスチャマッピングに限定して解釈すべき事情はないとし、座標ごとにカラー値とOCT測定値を相関付けることを意味するが表示画像の形態を限定するものではないと解釈した。そして、引用発明においてもマーカの位置を介してOCTスキャン画像と白色光画像の座標が対応付けられていることから、「結合すること」に相当すると認め、審決の判断を維持した。