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知財

著作権侵害差止請求事件

判決データ

事件番号
令和5ワ3064
事件名
著作権侵害差止請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2024年6月27日

AI概要

【事案の概要】 原告は、臨床看護師の実地指導者に関するコンピテンシー(能力要件)を整理した表(原告表)を、共同研究者らと共に作成し、論文案(甲3論文案)に掲載した。原告表は、「領域」「コンピテンシー」「行動記述」の3項目から成り、臨床のOJTにおける指導者に求められる能力と具体的な行動を体系的にまとめたものである。原告は令和元年9月の学会抄録の作成に始まり、複数の論文案を経て令和2年11月に最終的な論文(甲5論文)を公表したが、原告表が掲載された甲3論文案自体は公表されなかった。一方、被告は、令和元年11月に共同研究者のP6から原告表を含む調査票データの送付を受けて専門家評価を行っていたところ、令和2年11月に発行した自己の編著書(院内研修に関する書籍)に、原告表とほぼ同一内容の表(被告表)を掲載した。被告表の出典としては、原告が別途発行した甲7書籍のみが記載されていた。原告は令和5年1月に被告に著作権侵害を通知したが、被告がこれを争ったため、被告表を掲載する被告書籍の発行等の差止めを求めて提訴した。 【争点】 ①被告が原告表に依拠して被告表を作成したか、②原告が原告表の共有著作権を喪失したか(甲5論文の著作権が学会に移転したことにより甲3論文案の著作権も移転したとの主張)、③被告表の掲載が著作権法32条1項の適法引用に当たるか、の3点が争われた。 【判旨】 裁判所は原告の請求を全面的に認容した。争点①について、被告は令和元年11月にP6からのメールで原告表を含む調査票データを受領し、評価コメントを付して返信していたことから、被告書籍の作成前に原告表の内容を把握していたと認定した。原告表と被告表の内容を比較すると、「領域」と「コンピテンシー」は漢字・ひらがなの表記差を除き全て同一であり、「行動」の項目も「相手」と「学習者」の表記差等のわずかな相違を除いてほぼ同一であることから、被告は原告表に依拠して被告表を作成したと判断した。争点②について、甲3論文案と甲5論文は草稿と完成論文の関係にあるが別個の著作物であるとし、甲5論文の著作権が学会に移転しても甲3論文案の著作権には影響しないとして、原告の著作権喪失を否定した。争点③について、原告表が掲載された甲3論文案は未公表であるため、そもそも著作権法32条1項にいう「公表された著作物」に該当せず、適法引用の要件を欠くとした。さらに、仮にこの点を措いても、被告は引用元として甲7書籍のみを記載し、甲7書籍自身が「引用、一部改変」元として明示していた甲1学会抄録を被告表の引用元に挙げていないことから、出所表示が不十分であり公正な慣行に合致しないとして、適法引用の成立を否定した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。