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最高裁

療養補償給付支給処分(不支給決定の変更決定)の取消、休業補償給付支給処分の取消請求事件

判決データ

事件番号
令和5行ヒ108
事件名
療養補償給付支給処分(不支給決定の変更決定)の取消、休業補償給付支給処分の取消請求事件
裁判所
最高裁判所第一小法廷
裁判年月日
2024年7月4日
裁判種別・結果
判決・破棄自判
裁判官
堺徹深山卓也安浪亮介岡正晶宮川美津子
原審裁判所
東京高等裁判所

AI概要

【事案の概要】 札幌中央労働基準監督署長が、被上告人(事業主)に使用されていた労働者に対し、業務に起因する疾病を理由として、労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付及び休業補償給付の各支給決定(労災支給処分)をした。被上告人は、自社が労災保険のメリット制における特定事業に該当し、当該労災支給処分によりメリット収支率が上昇して納付すべき労働保険料が増額されるおそれがあるとして、国を相手に労災支給処分の取消しを求めて出訴した。メリット制とは、一定規模以上の事業について、過去3保険年度の労災保険給付の実績に応じて労災保険率を増減させる仕組みであり、労災給付が多い事業主ほど保険料負担が重くなる。第一審は原告適格を否定して訴えを却下したが、控訴審はこれを認めて差し戻した。 【争点】 特定事業の事業主は、自社の労働者に対してされた労災支給処分の取消訴訟について、行政事件訴訟法9条1項にいう「法律上の利益を有する者」として原告適格を有するか。 【判旨】 最高裁は、事業主に原告適格はないと判断し、原判決を破棄して控訴を棄却した。その理由として、第一に、労災保険法が労災保険給付の支給・不支給を被災労働者等に対する行政処分で行う趣旨は、被災労働者等の迅速かつ公正な保護にあり、事業主の納付すべき労働保険料の額の決定の基礎となる法律関係まで早期に確定しようとするものではないとした。第二に、徴収法のメリット制の趣旨は事業主間の公平と災害防止努力の促進にあるところ、客観的に支給要件を満たさない労災保険給付の額を保険料算定の基礎とすることはこの趣旨に反し、労働保険料の額は申告又は保険料認定処分の時に決定できれば足りるとした。以上から、特定事業について支給された労災保険給付のうち客観的に支給要件を満たさないものの額は保険料決定の基礎とはならず、労災支給処分が当然に保険料の決定に影響を及ぼすものではないから、事業主は原告適格を有しないと結論づけた。もっとも、事業主は保険料認定処分に対する不服申立てや取消訴訟において、支給要件を満たさない労災給付額が基礎とされたことを違法事由として主張できるから、手続保障に欠けるところはないとした。裁判官全員一致の意見である。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。