AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社グリーンメディック)は、令和4年2月、「オンライン医療モール」の文字を標準文字で表した商標について登録出願した。指定商品及び指定役務は、第9類(電子応用機械器具、コンピュータソフトウェア等)、第35類(医師の紹介、市場調査、事業の管理等)及び第44類(医療に関する相談・情報提供、調剤、健康診断等)であった。特許庁は、本願商標が商標法3条1項6号(需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標)に該当するとして拒絶査定を行い、原告が請求した拒絶査定不服審判においても「本件審判の請求は、成り立たない」との審決がされた。原告はこの審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。 【争点】 本願商標「オンライン医療モール」が商標法3条1項6号に該当するか否か、すなわち、本願商標に自他商品役務の識別力が認められるかが争点である。原告は、(1)本願商標は「オンライン医療」+「モール」とも「オンライン」+「医療モール」とも理解でき、複数の意味合いを生じるため特定の観念を生じさせず識別性がある、(2)「オンライン医療」は極めて抽象的かつ不明確な概念であり造語と理解される、(3)「オンライン医療モール」という語が指定商品役務に関して他で一般的に使用されている実例がないことからも識別性が認められるべきであると主張した。 【判旨】 知財高裁は、原告の請求を棄却した。裁判所はまず、「オンライン」の文字が「オンライン〇〇」の態様で「ネットワーク上で提供される〇〇」という意味で汎用的に広く用いられている一方、「〇〇モール」はショッピングモールや医療モールといった定型的用法にとどまることを認定した。そのうえで、本願商標に接した需要者は、「オンライン」で行われる仮想的な「医療モール」、すなわち「様々な医療機関に係るサービスを、ネットワーク上の1か所のプラットフォーム上で提供又は利用できる仕組み」という意味合いを容易に理解・認識するものと判断した。オンラインで提供される医療サービスの内容が多様であることは造語性の根拠とならず、むしろ上記の理解に沿うものであるとした。また、商標法3条1項6号の適用において当該商標が現実に使用されていることは要求されないため、他に使用例がないことも識別力を基礎付けないとした。以上から、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識できない商標であり、同号に該当すると結論付けた。