各法人税法違反、地方法人税法違反被告事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 とび・土工工事や配管工事等の事業を営む有限会社(被告会社)の代表取締役であった被告人が、被告会社の業務に関し、架空外注費を計上するなどの方法により所得を秘匿し、3事業年度(令和元年9月~令和4年8月)にわたって法人税及び地方法人税の確定申告において虚偽の申告を行い、合計約2696万6000円を免れたという法人税法違反及び地方法人税法違反の事案である。 具体的には、架空の業者や実在する建設会社に対する架空外注費を計上したり、雑収入を除外したりする手法で所得を圧縮し、経理担当者に架空経費が実際に支払われたかのような帳簿類や納税関係書類等を作成させていた。3期分を併せたほ脱率は約67.69%に上り、将来の家族や被告会社の不測の事態に備えて現金を持っておきたいという動機であった。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告会社を罰金600万円に、被告人を懲役1年(執行猶予3年)に処した(求刑:被告会社に罰金800万円、被告人に懲役1年)。 量刑に際し、裁判所は、ほ脱税額が合計約2696万6000円と相当に高額であること、ほ脱率が約67.69%と低率とはいえないこと、複数人を巻き込んで行われた計画的で悪質性の高い犯行態様であること、動機に特段酌むべき点がないことを指摘し、刑事責任を軽くみることはできないとした。 他方、有利な情状として、被告会社において本税のみならず加算税及び延滞税も全額納付済みであること、被告人が一貫して犯行を認め代表取締役を退任するなど反省の態度を示していること、税理士及び弁護士による管理・監督体制の強化等の再発防止策を講じていること、被告会社及び被告人に前科がないことを考慮し、被告人に対しては執行猶予を付すのが相当と判断した。