AI概要
【事案の概要】 原告は、五つ葉のクローバーの図形と「iデンタルクリニック」の文字からなる商標について、第44類「歯科医業」等を指定役務として登録出願をしたところ、特許庁から、先願の登録商標(「アイデンタルクリニック」の片仮名を含む引用商標1及び「I DENTAL CLINIC」の欧文字を含む引用商標2)と類似するとして、商標法4条1項11号に該当するとの拒絶査定を受けた。原告は拒絶査定不服審判を請求したが、審判においても請求不成立の審決がなされたため、知的財産高等裁判所に審決取消訴訟を提起した。原告は、本願商標の図形部分と文字部分は一体不可分であり分離観察は許されない、仮に分離観察が可能でも図形部分が要部であると主張した。 【争点】 本願商標と引用商標の類否判断、すなわち、本願商標について分離観察が許されるか、許されるとして要部はどの部分か、要部同士を対比した場合に両商標は類似するかが争点となった。特に、本願商標の五つ葉のクローバー図形部分が「i」の図形化であり図形と文字に称呼・観念上の関連性があるとする原告の主張の当否が問題となった。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却し、審決を維持した。裁判所は、本願商標の図形部分と文字部分は間隔を大きく開けて配置されており構成上の一体性が希薄であると認定した。図形部分について、一般の取引者・需要者が五つ葉のクローバーと理解するのは困難であり、いかなる植物を図案化したものか明らかでなく、出所識別標識としての称呼・観念を生じないと判断した。他方、「iデンタルクリニック」の文字部分は歯科医院の名称を連想させるものとして、需要者が他のサービスと区別する目印として着目する度合いが高く、要部に当たるとした。引用商標についても同様に、「アイデンタルクリニック」又は「I DENTAL CLINIC」の文字部分が要部であると認定した。そして、本願商標の要部と引用商標の要部は、外観において相紛らわしく称呼を同一とするから、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標であると結論づけた。