都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3132 件の口コミ
知財

発信者情報開示請求事件

判決データ

事件番号
令和5ワ70500
事件名
発信者情報開示請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2024年8月8日
裁判官
杉浦正樹石井奈沙志摩祐介

AI概要

【事案の概要】 本件は、動画制作等を行う原告(有限会社)が、氏名不詳の発信者らがP2P形式のファイル共有ネットワークであるBitTorrentを使用して、原告が著作権を有する動画のデータを自動公衆送信したことにより、原告の著作権(公衆送信権)が侵害されたことが明らかであるとして、発信者らが利用するインターネット接続サービスを提供する被告(NTTコミュニケーションズ)に対し、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)5条1項に基づき、発信者の氏名・住所・電話番号・電子メールアドレス等の開示を求めた事案である。 原告は、訴訟提起に先立ち、調査会社に委託してBitTorrentネットワーク上の著作権侵害調査を実施した。調査会社は、BitTorrentの制作会社が開発・管理するクライアントソフト(µTorrent)を使用し、原告の動画に係るピース(細分化されたデータ)をダウンロードしているピア(ユーザー)のIPアドレス等を特定するとともに、ダウンロードした動画ファイルと原告の動画との同一性を確認した。 【争点】 主な争点は権利侵害の明白性であり、具体的には以下の2点が争われた。第一に、本件調査の信用性である。被告は、使用されたクライアントソフトがいわゆる認証ソフトウェアではないこと、調査時のキャプチャー画面に「下り速度」や「上り速度」の表示がないものがあることなどを指摘し、調査結果は信用できないと主張した。第二に、公衆送信権侵害の成否である。被告は、発信者らが送信したピースは細分化されたものであるから、1つのピースからでは動画の表現の本質的特徴を直接感得できる映像を再生できない可能性があると主張した。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも認容し、発信者情報の開示を命じた。 まず調査の信用性について、クライアントソフトはBitTorrentの制作会社が開発・管理し、ガイドラインを遵守したものであるから、ピアのIPアドレスを正確に取得・表示する機能を有していると合理的に推認できるとした。また、「下り速度」等の表示がない場合でもファイルのダウンロードが進むことがあり、調査時にも「ダウンロード中」との表示がされていたことから、発信者らによるアップロードが行われていたと認定した。 次にファイルの再生可能性について、調査担当者がダウンロードしたファイルと原告動画との同一性を確認し、複数の同一シーンが含まれていたこと、ダウンロード中で保有率が少ない場合にも動画を再生できることが認められることから、送信されたピースは原告動画の表現の本質的特徴を直接感得し得る程度に再生可能であったと推認した。以上から、発信者らが原告の著作権(公衆送信権)を侵害したことは明らかであり、原告には発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。