特許権侵害等請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、「検査分析のサービスを提供するシステムおよび方法」という発明の名称を有する特許(特許第4253793号、令和5年7月23日に存続期間満了により消滅)の特許権者であった控訴人(第1審原告)が、被控訴人(第1審被告・株式会社AbemaTV)に対し、被控訴人が動画配信サービスにおいて使用する方法が本件特許権を侵害するとして、不法行為に基づく損害賠償160万円(一部請求)の支払を求めた事案である。原審(東京地方裁判所)は、被告方法が本件発明の「検査装置」又は「検査分析」に該当する装置又は工程を備えるものと認められないとして請求を棄却し、控訴人がこれを不服として控訴した。 【争点】 主な争点は、被控訴人の動画配信サービスが本件特許発明の技術的範囲に属するか否かである。控訴人は、①本件発明の「検査分析」の対象は試料ではなくリモート操作であり、原判決の解釈は誤りである、②原判決が本件特許権の存続期間満了日を令和5年7月23日と認定したことは不当である、と主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、控訴人の請求には理由がないと判断し、控訴を棄却した。争点①について、本件特許の請求項5には半導体などの検査分析装置を除く旨の記載はなく、控訴人の主張は特許請求の範囲の記載に基づくものではないとして採用しなかった。また、控訴人が援用する明細書の記載は試料の「検査分析」のための一ステップにすぎず、それ自体が検査分析を意味するものではないと判示した。争点②について、本件特許権が令和5年7月23日に消滅したのであれば同月22日には存続していることになり、被控訴人も同日における特許権の存続を争っていないとして、控訴人の主張を退けた。以上により、原判決は相当であるとして本件控訴を棄却した。