AI概要
【事案の概要】 原告(アールジェイジェイレストランエルエルシー)は、左向きの牛の全身を表した図形と「EMPIRE STEAK HOUSE」の文字からなる商標について、第43類(ステーキ料理の提供、宿泊施設の提供等)を指定役務として商標登録出願をしたが、特許庁は、先願の引用商標「EMPIRE」(標準文字、第43類:飲食物の提供等)と類似するとして、商標法4条1項11号に基づき拒絶査定をした。原告は拒絶査定不服審判を請求したが、特許庁は請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めて提訴した。 【争点】 本願商標「EMPIRE STEAK HOUSE」から「EMPIRE」の文字部分のみを要部として抽出し、引用商標「EMPIRE」と比較して類否判断をすることが許されるか。具体的には、(1)本願商標の文字部分を一連一体のものとして観察すべきか分離観察すべきか、(2)「EMPIRE」から「帝国」の観念が一義的に生じるか、(3)両商標が類似するかが争われた。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、本願商標の図形部分(牛の全身)はステーキ料理の提供との関係で自他役務識別機能を有しないか極めて弱いと判断した。文字部分について、「STEAK HOUSE」はステーキ専門店を意味する語として広く定着しており、役務の提供の場所・質を表すにすぎないため、自他役務識別機能を有しないか極めて弱いとした。一方、「EMPIRE」は高校学習語として国語辞典にも掲載され「帝国」の意味が容易に理解される語であり、指定役務との関係で自他役務識別機能が強いとして、「EMPIRE」を要部として抽出することが相当であると判断した。そして、本願商標の要部「EMPIRE」と引用商標「EMPIRE」は、外観・称呼(エンパイア)・観念(帝国)のいずれにおいても相紛らわしく類似すると認定した。原告が主張した他の登録例や非類似審決例については、商標の類否判断は商標ごとに個別に判断すべきものであり、結論を左右しないとして排斥した。