AI概要
【事案の概要】 原告は、標準文字「zhiyun」からなる商標(登録第6256358号。指定商品:第9類「スマートフォン用スタビライザー」等)の商標権者である。被告(中国企業・桂林智神信息技術股份有限公司)は、スタビライザー等の製造販売業者であり、「Zhiyun」「ZHIYUN」等の引用商標を使用していた。被告が本件商標の登録無効審判を請求したところ、特許庁は商標法3条1項柱書き違反及び同法4条1項7号該当を理由に登録を無効とする審決をした。原告がその取消しを求めた事案である。 【争点】 (1) 商標法3条1項柱書き違反(自己の業務に係る商品に使用する商標といえるか)の判断の誤り (2) 商標法4条1項7号該当性(公序良俗違反)の判断の誤り 【判旨】 請求棄却。裁判所は、事案に鑑み取消事由2(公序良俗違反)から判断した。被告は本件商標出願日以前から引用商標を付したスタビライザー等を海外で販売し相当な売上げを得ており、日本でも遅くとも平成28年7月からAmazonジャパンで販売し、平成30年には日本市場に本格参入していた。一方、原告は平成29年から令和3年までに114件もの商標登録出願をし、その指定商品はバッグ、釣り具等広範囲で一貫性がなく、22件は登録後1〜2年で移転され、うち少なくとも18件は類似する他人の商標使用に後れるものであった。これらの商標には日本語・英語では考え付き難い特徴的造語が多く、他人の先行使用商標と偶然一致したとは認め難い。裁判所は、原告は先願主義に名を借りて先行使用されてきた他人の商標と類似する商標を大量に剽窃的に出願し金銭的利益を得ることを業とする者であると認定し、本件商標の登録を認めることは商標法の予定する公正な取引秩序に著しく反するとして、商標法4条1項7号に違反するとした審決の判断に誤りはないとした。原告主張の使用実績についても、早期審査や無効審判対応のための名目的なものにすぎないと判断した。